大凪真生さんインタビュー

Q台本を読まれた感想は?

一言で言うと、感動の物語ですね。刑事ドラマってたくさんありますけど、いわゆる感動の物語というと少ないと思うので、このようなお話に出演させていただけるなんて、すごく光栄に思いました。それとは逆に、今回私が演じる女性が正統派というかすごく純情な女性なので、果たして私に演じることが出来るのか…と、不安な部分もありました。

Q今回演じられる清瀬結衣子という女性はどんな人物でしょうか?

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すごく芯の強い女性だと思います。第5話の物語のポイントとして、結衣子にはある秘密があるのですが、重い秘密を抱えて飲み込んでここまで成長できるなんて、すごく強い人だと思いました。

Qそんな結衣子を演じる上で気をつけたポイントというと?

私自身、宝塚の男役を演じてきたので、つい男っぽさが出てしまいまして、初めて撮影現場に入ったときも、自分の中では女性らしくという意識で芝居に臨んだのですが、「もう少し女性らしく」と、スタッフさんから言われることもあって、最初の頃はちょっとキツいかな…と感じることもありました。なんというか、感情が高ぶってくると声が低くなってしまうというか、ドスが利いちゃうんです(笑)。なので、そうならないよう、声のトーンやしゃべり口調には気を使いました。
それと、監督から「結衣子は、両親の愛情をたくさん受けて育ってきた女性だから、彼女自身も情深くて…」という感じの説明を受けていたので、彼女の優しさや情の深さという部分をベースに置いて演技するよう気をつけていました。

Q撮影中の現場の印象やエピソードなどはありますか?

竜さんが演じるお父さんが警察に連れて行かれてしまうというシーンがありまして、乗せられた車を結衣子が走って追っかけるという演技があったんですね。このときは全速力で100メートル以上を計10回ほどダッシュしたのですが、ものすごく大変でした。最初のテイクでは、追っかける車に近づきすぎちゃったりしてNGだったのですが、だんだん疲れてきて足もツリ気味になってきたのがよかったのか、リアルな感じが出たと思います(笑)。
走る演技もそうですが、テレビドラマというものが初めてだったので、とにかく必死でした。感情を入れた演技をしなきゃならないときなど、自分の中でその気持ちを盛り上げていきたいんですけど、カメラワークの関係上、同じ演技を何度もしなきゃならないですし。本当に大変でした。
それと、主演の佐々木蔵之介さんほか共演させていただいた竜雷太さんなどの演技を身近に見て、芝居の間の取り方とかがすごいなーなどと勉強させていただいた感じです。特に竜さんとはご一緒させていただくシーンがたくさんあったので、「ここはこうしたらいいよ」とか具体的なアドバイスをいろいろといただきました。
やっぱり、演技をするといっても舞台とドラマでは、まったく違うものですね。例えば、舞台は始まってしまうと止まることがないので、ドラマの撮影のようにNGというものがありませんが、ドラマの場合は、良いもの撮れるまでやり直しができるとか。別な言い方をすると、車を追いかけるというシーンの撮影では、走っているところ、それから転んでしまうところ、そして転んでから悲しげに顔を上げるというところと、それぞれ別々に撮影していくので、感情の繋がりを保つことがすごく難しかったです。舞台のお芝居でしたら、一連の動きで見せるので、感情が繋がったまま演じることができますけど、ドラマの撮影ではそうもいかず、ものすごく難しいなと思いました。
ホント、みなさんスイッチの切り替えがお上手というかさすがで、竜さんも、ついさっきまで雑談していたのに、パッと涙ぐむ演技に入ってらっしゃるなど、そばで見ることができて勉強になりました。

Q第5話の見どころというと?

まずは、血の繋がりを超えた家族愛でしょうか。刑事モノという括りのドラマなので「犯人は誰だ!?」というところは、もちろん見どころですが、ヒューマンで感動的なお話となっていると思います。
それと、私個人的には、今まで宝塚の舞台を観ていただいてきた方たちには、男役だった役者が突然女の子になっていて、しかも純情な役を演じているのを見てビックリされると思います(笑)。でも、周りのスタッフの方たちに温かく支えていただいたおかげで、結衣子という役を演じきることができたと思います。すごく感謝しております。頑張って演じているので、その姿をぜひご覧いただければ嬉しいです。