ジャコメッティ展

マーグ財団美術館紹介

マーグ財団美術館紹介

マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、サン=ポール・ド・ヴァンス Archives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)

1964年、ニース近郊サン=ポール・ド・ヴァンスに開館したマルグリット&エメ・マーグ財団美術館は、ヨーロッパを代表する20世紀美術の殿堂として、50年あまりの歴史を誇ります。南仏に点在する鷹の巣村(岩山の上に造られた鷹の巣のように見える村)のひとつ、サン=ポール村近くの静かな美しい森にたたずむ建物は、スペインの建築家ホセ・ルイ・セルトによる設計です。

マーグ財団美術館を設立したのは、高名な画商として活躍したエメ・マーグと妻マルグリットです。その落成式には、時の文化相アンドレ・マルローも出席したといいます。マーグ夫妻は、ミロ、カルダー、レジェ、ブラック、ジャコメッティ、シャガール、チリーダといった同時代を代表する偉大な作家たちと友情を育み、その豊かな交流が美術館設立の礎を築きました。マーグ財団美術館には、彼らの油彩や彫刻、素描や版画など、数多くの名品が所蔵されています。また、芝生が敷き詰められた前庭と眺めのよい高台を含む広い敷地には、ミロやシャガール、ブラックなど、作家たちの特別な協力を得て制作された彫刻や壁画などが随所に設置されています。

ジャコメッティとマーグ家、およびマーグ財団美術館

ジャコメッティとマーグ家、およびマーグ財団美術館

マーグ財団美術館の中庭に立つジャコメッティ Archives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)

南仏でリトグラフの刷り師をしていたエメ・マーグは、妻とともに家具とラジオを販売する店も営み、ここで美術品を扱うようになりました。そして、ポスターの制作を通じて知己を得ていた画家ピエール・ボナールに美術に専念するよう勧められ、第二次世界大戦終結直後の1945年、パリに画廊を開きました。ヨーロッパ有数の画廊、マーグ画廊の始まりです。

マーグ画廊がジャコメッティの作品を購入し始めたのは1947年のことでした。そして1951年には、ジャコメッティのパリで初めての大規模な個展を開催しています。マーグ夫妻ゆかりの多くの作家と同様にジャコメッティも、1964年のマーグ財団美術館設立に向けて特別な協力をしました。主要な彫刻35点を鋳造するともに、30点の素描と約100点の版画を寄贈したのです。こうしてマーグ財団美術館は、世界3大ジャコメッティ・コレクションのひとつになりました。またマーグ財団美術館には、「ジャコメッティの庭」と呼ばれる中庭もあります。これは、ジャコメッティがチェース・マンハッタン銀行のために構想し、その後、独立した作品として鋳造された彫刻群を設置するために造られたものです。

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