2017年2月28日(火)〜5月28日[国立西洋美術館]

作品紹介

アングルのアトリエからイタリア旅行まで

師アングルが1834年にフランス・アカデミー院長としてローマへ旅立った後、シャセリオーは、ゴーティエやネルヴァルらボヘミアン芸術家たちと交流しつつ、新たな芸術表現を探求したロマン主義の動きを吸収していきます。ここでは、1836年のサロンに初入選した時期からイタリアの文化・芸術や自然に触れる機会となるとともに師との決裂ももたらした1840-1841年のイタリア旅行までの作品を見ます。

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ロマン主義へ 文学と演劇

転機となったイタリア旅行後、自らの進むべき道を定めたシャセリオーは、シェイクスピアやバイロン、ラマルティーヌなどの文学を重要な着想源として、抒情に満ちた新たな物語画の世界を色彩豊かに創造していきます。ここではやがてこうした試みを受け継いで世紀末象徴主義への道を切り開くモローやルドンらの作品との比較もおこないます。

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画家を取り巻く人々

かつての師アングルと同様、シャセリオーは優れた肖像画の数々も残しています。《アレクシ・ド・トクヴィル》や《カバリュス嬢の肖像》のような油彩の大作のほか、繊細な素描によって親しい人々の肖像も手がけました。これらの肖像を通して、画家を取り巻いた人々や環境、そして七月王政期から第二共和政期にかけてのパリの様子を浮かび上がらせます。

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東方の光

アフリカから小アジアにかけての、いわゆる東方 (オリエント) の国々の人々や風物、風景は多くの芸術家たちを魅了し、旅へと誘いました。1846年にアルジェリア方面を旅したシャセリオーも旅先で数々のスケッチを手がけ、帰国後はこれらを着想源とした作品の数々を生み出します。異国的で勇壮な騎馬像やアラブ馬の一方で、洋の東西を問わぬ家族の日常的情景を好んで描いたシャセリオー独特の作品世界を、ドラクロワからルノワールまで19世紀のオリエンタリスム絵画の系譜のなかで見ていきます。

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建築装飾 寓意と宗教主題

サン・メリ教会、サン・ロック教会、サン=フィリップ=デュ=ルール教会など今も残るパリの教会や、1871年のパリ・コミューンで破壊されたオルセー河岸の会計検査院など、数々の公共建築物の天井や壁の装飾にシャセリオーは若くして取り組み、大画面に寓意画や宗教画を描き出しました。ここでは、関連習作や資料などを通して、こうした建築装飾の仕事、そして最晩年の宗教画などを紹介します。

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