SURGICAL SYSTEM
新時代の心臓手術─ロボット手術とは?
第5話から登場する手術支援ロボット・ダーウィン(※)。
最先端の“ロボット手術”について、
監修先生のお話を基に紐解いていきます。
最先端の“ロボット手術”について、
監修先生のお話を基に紐解いていきます。
(※)高精度の3D内視鏡を備え、超精密な手術を行う実在の内視鏡下手術支援ロボット・ダビンチが劇中では「ダーウィン」という名称で登場します。
vol.4現在のロボット手術に至るまで 〜そのハードルと実際〜
今回は心臓ロボット手術のパイオニアと呼ばれる渡邊先生が手術支援ロボット、ダビンチを入手して使いこなし、そして現在に至るまでの点をお伺いしました。
実は、ボタン一つで誰でも簡単にできる機械だと誤解されることも多いという手術用ロボットですが、ハードルが沢山あるのに驚きます。
実は、ボタン一つで誰でも簡単にできる機械だと誤解されることも多いという手術用ロボットですが、ハードルが沢山あるのに驚きます。
まず最初のハードルはなんでしたか? 〜【ロボット入手まで】〜
ロボット手術を始めるに当たっての最初の壁は、実は機械を手に入れることでした。患者さんの負担を劇的に減らす機械だと認識されていても、技術面以外の費用、組織内のコンセンサス、同意を得る、といった違う要素もあって、当時はまず機械が手元に来るまでに、既に壁が一つありました。大学や組織の中で新しいモノを認めてもらうのには様々なハードルがあるのです。あらゆる科の色々な先生がほしいと申請する新しいものが沢山ある中で、そのリストの優先順位が上がらないといけない。しかも高額な医療機器だとより費用の面でハードルが上がるのです。
それらをくぐり抜けてやっと機械を手に入れたロボットは、もちろんメリットの方が大きかった。それでも、今に至るまでには更に様々な苦労がありました。
それらをくぐり抜けてやっと機械を手に入れたロボットは、もちろんメリットの方が大きかった。それでも、今に至るまでには更に様々な苦労がありました。
実際に始めてみたら…?
- <医療的なメリット>
- 難しい手術がやり易くなった
ロボットを使うことは基本的にはメリットが大きいです。内視鏡より格段に楽になった。=つまり、難しい手術をやり易くなりました。ロボットには関節があるので、動きが格段に良いのです。例えば、泌尿器科で前立腺がんのロボット手術があっという間に広まったのもそのためなのです。
心臓の場合は、バイパス手術でそのメリット大きく感じました。 術野が大きく見えることと、関節を使ってうまく処置できること。また、後ろまで覗き込むように見えるので、届かなかった場所、裏側にもリーチできる。障害物を越えてさらに奥の手術ができるようになったということは大きなメリットです。
- <苦労した点①>
- 技術面での難しさ
一方で、新しい機械が手の代行をするというのは、これまでの経験にないことです。例えて言うなら、歩いていたのを自動車運転に切り替えるみたいなもの。それをきちんと使いこなすということが、何より難しいのです。手の場合は、ひっかかりとか押した時の弾力を感じますが、機械の場合は感触がないんです。ということは、頼れるのは視覚のみ。こればかりは、やりながら感覚をつかんでいくしかない。そのために、ひたすら練習する、経験するしかないんです。僕が「見えてきた」と思えたのは、100 例くらいやった時でした。まもなく500例になりますが、今でも「こういう風に糸縛りすればよいのか!」など新たな発見をすることは多々あります。
- <苦労した点②>
- お金の問題も大切
次には、ロボット手術の機械を買ったはいいけど、どう使うか、それをどう運用していくのかの問題がありました。保険適用が始まる前は、治療費を誰が負担するのかというのが一番の壁でした。
ロボット手術は何かと費用がかかるんです。使うだけで人件費、消耗品、メンテナンスの費用はかかっていきますので、治療費が入らなければその分が損失になっていく。でも、買ったものは使わないと意味がないですから、費用を病院が負担するのか、あるいは患者さんに自費で負担してもらうのか、試行錯誤の連続でした。結局、保険適用前は、学用患者さんとしたり高度先進医療(当時:現在は先進医療)としてやってきたんです。
その自費で治療をしていた期間が長かったので、それが一番大変だった気がします。
そんな中、今年4月からロボット手術による弁形成術の保険適用が決まったわけで、そのことの意味は非常に大きいと考えています。
アメリカやヨーロッパを見ると治療として認められてしっかりやっているな、というレベルになっている人は、やはり一つの病気だけで300 例くらい積み重ねていることがとても多いんです。そのぐらい症例を扱って研さんを積んでいかないといけない分野でもあるんです。日本は今ようやく保険が認められたばかり。これから!というところなんですよ。
アメリカやヨーロッパを見ると治療として認められてしっかりやっているな、というレベルになっている人は、やはり一つの病気だけで300 例くらい積み重ねていることがとても多いんです。そのぐらい症例を扱って研さんを積んでいかないといけない分野でもあるんです。日本は今ようやく保険が認められたばかり。これから!というところなんですよ。
PROFILE
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ニューハート・ワタナベ
国際病院総長
日本ロボット外科学会
理事長
国際病院総長
日本ロボット外科学会
理事長
渡邊 剛
1958年、東京生まれ。
心臓血管外科医、ロボット外科医 (da Vinci Pilot)、心臓血管外科学者、医学博士、(心臓血管外科専門医、日本胸部外科学会指導医)等々。
ドイツで最年少心臓移植執刀医として実地の手術を担当、2年半ドイツで活躍。
"天才心臓外科医""天使の手"と称され、現在外科医の世界で圧倒的名声を得て、その至高かつ芸術的と称される手術で世界のベストドクターに選ばれる。
心臓血管外科医、ロボット外科医 (da Vinci Pilot)、心臓血管外科学者、医学博士、(心臓血管外科専門医、日本胸部外科学会指導医)等々。
ドイツで最年少心臓移植執刀医として実地の手術を担当、2年半ドイツで活躍。
"天才心臓外科医""天使の手"と称され、現在外科医の世界で圧倒的名声を得て、その至高かつ芸術的と称される手術で世界のベストドクターに選ばれる。
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