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月刊民放5月号 月刊民放5月号掲載より、その2
特集 メディアリテラシー
「民放連・NHK共同企画番組 子どもとテレビ」を制作して
TBS編成考査局 番組考査部長 大野照夫

●番組作りで志したこと
■背景について
 この番組は、民放連とNHKの共同企画番組「子どもとテレビ」の第四作目として制作されました。民放では東京のチャンネルを時計回りに、昨年は日本テレビが『テレビの不思議大図鑑』を制作・放送しています。  企画誕生のきっかけは1999年6月、民放連が6項目にわたる「青少年と放送」問題への対応を決めたことに始まります。これはその第一項「青少年向けの放送番組の充実」としての取り組みです。

 “対応”は次に「メディアリテラシーの向上」をあげています。そこには「『テレビをはじめとするメディアのもつ特性を把握し、内容を的確に理解する能力と自立した判断力を身に付ける』取り組みに、放送事業者として協力する。具体的には、視聴者側で教材として使える番組を民放連で制作し、各局から放送する」とあります。
 私たちはメディアリテラシーの三つの要素、「メディアを読み解く能力」「メディアを活用する能力」「自ら表現し発信する能力」を同時に学ぶ旭東小学校の取り組みを見つめ、記録し、放送することにしました。  番組に対する厳しい批評を期待しています。どこまでが『子ども』の意見で、どこまでが先生方や保護者の意見か、さらには放送したテレビ局の意図、刷り込みはないか等々、論議を期待したいと思います。

■目指せ ひな型・たたき台
 プロジェクトリーダーと最初に話し合ったことの一つは、この旭東小学校の取り組みを「総合的な学習の時間」の主要テーマとして提起したい!! ということでした。全国の小中学校の先生方がテレビと向き合ってメディアリテラシー授業を行う際、そのたたき台・ひな型として成果を利用してもらいたい。そう願いました。

 「総合的な学習の時間」は来年4月から小学3年生以上に週3時間ほど。年間で105時間から110時間もの時間が、各学校の先生方の創意工夫に任されます。学校現場では“何をテーマにどうしたらいいのか?”暗中模索の状況にあるようです。旭東小学校ではその先駆けとして、およそ80時間もの時間をかけてメディアリテラシーの体得に挑戦しました。このプロジェクトから導き出せる教訓を活かしてもらいたいと強く思います。

 先にも記しましたが、日本人が平日にテレビを見る時間は平均3時間25分。ラジオは21分、新聞は23分、雑誌・漫画は7分と、メディアの中でテレビへの接触度は他を圧倒しています。このデータは送り手側の責任を強く自覚させるとともに、テレビをメディアリテラシー実践の中核に置く理由を示しています。  小学校、さらには中学校で総合学習のテーマとしてメディアリテラシーと取り組んでほしい、テレビをより身近な存在として利用し、活用して、メディア時代に生きる力を養ってほしい、これはスタートから今も変わらぬ想いです。