テレビ観察プロジェクト









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植木枝盛生誕の地6年生全員で取り組むこのプロジェクト。個人個々人のテレビへの関心・好奇心によって「観 察チーム」が創られています。
かつ、先生方は話し合いを経て“学級解体”を選択し、クラスの壁を超えました。そのメリット・デメリットに関しては、後日先生方に書いて頂くとして、その結果として、103人が一同に会する場として体育館がよく使われます。初めて体育館に足を踏み入れたその日、目に飛び込んできた旭東小学校の校歌に私は驚きました。その三番です。

♪自由の枝盛か あの声は
 万葉のうた 雅澄か
 道ひとすじに さあ生きよう
 心も 体も きたえつつ
 のびゆく のびゆく 旭東の子♪

この枝盛は、あの植木枝盛か?
後日、教頭の福本誠一先生に自転車を借りて、およそ5分、そこは植木枝盛(1857年:安政4年〜1892年:明治25年)生誕の地でした。旭東小学校の子ども達は、自由民権運動の理論的指導者にして闘士・植木枝盛の後輩たちだったのです。
高知市立自由民権記念館私は「テレビ観察プロジェクト」を取材していて不思議に思うことの一つは、なぜ高知で日本初と言えるこのプロジェクトが生育したのか? その高知の風土とは? 高知人のDNAに宿る謎のXとは、何なのか? と言うこと。
そんな問題意識を持って少し調べ出したところ、またまた驚きました。

植木枝盛土佐・自由民権運動の象徴的な言葉『自由は土佐の山間より出づ』の発進元が植木枝盛、その人であったのです。この言葉は、これ又、高知出身の板垣退助が高知城下に設立した立志社の出版局が発行する機関誌『海南新誌 第1号(1878年:明治10年8月25日)』の緒言に枝盛が書いたものでした。

ちなみに、この言葉は6行前にある「欧州ノ人ノ曰ク自由ハ独乙ノ深林中ヨリ芽出セリ」の土佐版と言えるもので、その源はフランスの政治思想家で「法の精神」を著したモンテスキュー (1689年〜1755年) の言葉とのことです。これは自由民権記念館で読んだ『植木枝盛と女たち(外崎光広:著 ドメス出版 1976年刊)』で知りました。

明治は遠くになりにけり、などと言っている時では無い様です。この“自由”の思想は、メディアリテラシーに新たな生命を宿すかも知れません。 次回も植木枝盛について記します。

         「子どもとテレビ」プロデューサー TBS・大野照夫