ルーベンス展-バロックの誕生

Outline開催概要

開催にあたって

ペーテル・パウル・ルーベンスの名は、わが国では名作アニメ『フランダースの犬』によって知られています。そう、主人公ネロが一目見たいと望み続け、最終回にはその前で愛犬パトラッシュとともにこと切れる、聖母大聖堂の祭壇画の作者です。しかし本場西洋では、ルーベンスの方が圧倒的に有名です。バロックと呼ばれる壮麗華美な美術様式が栄えた17世紀ヨーロッパを代表する画家であり、後に「王の画家にして画家の王」と呼ばれたほどの存在なのです。本展覧会はこのルーベンスを、イタリアとのかかわりに焦点を当てて紹介するものです。

なぜイタリアなのか?イタリアは古代美術やルネサンス美術が栄えた地であり、バロック美術の中心地もローマでした。また、当時はローマがヨーロッパの政治の中心でもありました。フランドルのアントウェルペンで育ったルーベンスは、幼いころから古代文化に親しみ、イタリアに憧れを抱きます。そして1600年、ついに彼はイタリアの土を踏み、08年まで滞在してこの地の美術を吸収することで、自らの芸術を大きく発展させたのです。フランドルに帰郷後も彼はたえずイタリアの美術を参照し、また手紙を書くときはイタリア語を用いるなど、心のなかにイタリアを保ち続けました。一方で、若い頃からきわめて有能だったルーベンスは、イタリアの若い画家たちに多大な影響を与え、バロック美術の発展に拍車をかけたと考えられます。ジョヴァンニ・ランフランコやジャン・ロレンツォ・ベルニーニ、ピエトロ・ダ・コルトーナといった盛期バロックの立役者となった芸術家たちは、ルーベンス作品との出会いによって表現を羽ばたかせた可能性があります。また17世紀末のルカ・ジョルダーノらは、ルーベンスから多くの刺激を受けました。

本展はルーベンスの作品を、古代彫刻や彼に先行する16世紀のイタリアの芸術家の作品、そして同時代以降のイタリア・バロックの芸術家たちの作品とともに展示します。ルーベンスがイタリアから何を学んだのかをお見せするとともに、彼とイタリア・バロック美術との関係を解きほぐし、明らかにすることを目指します。これまでわが国では何度かルーベンス展が開催されてきましたが、この画家とイタリアとの双方向の影響関係に焦点を当てた展覧会は、初の試みとなります。ルーベンスとイタリア・バロック美術という、西洋美術のふたつのハイライトに対する新たな眼差しのあり方を、日本の観衆に与える最良の機会となることでしょう。

会期
2018年10月16日(火)〜2019年1月20日(日)
会場
国立西洋美術館(東京・上野公園)
東京都台東区上野公園7の7
開館時間
9時30分〜17時30分
(金曜、土曜は20時まで。ただし11/17は17時30分まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日(ただし12/24、1/14は開館)、12/28〜1/1、1/15
主催
国立西洋美術館、TBS、朝日新聞社
後援
ベルギー大使館、イタリア大使館、ベルギー・フランダース政府観光局、BS-TBS、TBSラジオ
特別協賛
大和証券グループ
協賛
NISSHA株式会社、あいおいニッセイ同和損保、三井物産、東日本旅客鉄道株式会社、シュガーレディグループ
協力
アリタリア、日本貨物航空、日本航空、日本通運、ルフトハンザカーゴ AG、ルフトハンザ ドイツ航空、西洋美術振興財団

アクセス

国立西洋美術館 〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7

◆JR上野駅下車(公園口) 徒歩1分
◆京成電鉄京成上野駅下車 徒歩7分
◆東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅下車 徒歩8分

  • 当館に駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。

観覧料

観覧料 (税込)一般大学生高校生
当日1,600円1,200円800円
前売・団体1,400円1,000円600円
  • チケット販売場所:国立西洋美術館(開館日のみ)、チケットぴあ、TBSチケBOO!
    他主要プレイガイド
  • 手数料がかかる場合がございます。
  • 前売券は2018年7月2日(月)〜10月15日(月)(国立西洋美術館では7月3日(火)から10月14日(日))まで販売。
  • 中学生以下無料。
  • 心身に障害のある方とその付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください)。
  • 団体は20名以上。

お問い合わせ

03-5777-8600(ハローダイヤル)

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