TBSテレビ60周年特別企画『レッドクロス ~女たちの赤紙~』
8月1日、2日よる9時放送
松嶋菜々子さん演じる希代の夫で、満州の開拓団村に生きる中川亘という役を演じました。理想の国をつくるという希望に燃えて満州に行き、そこで戦争という圧倒的な力そして現実にぶつかって葛藤するという役だったのですが、非常にやりがいのある役でした。
当時、どのような思いをもって大陸での生活を選んだのか、またそこで描かれる悲しみや苦労…喜びなどを皆さまにも感じていただければと思います。
福澤監督の組は2度目ですが、この組はカメラテストから本番撮影をしていて、さらに1シーンの頭から最後まで止めることなく通して演じて、それを何度も繰り返すという非常に過酷な組です。そんな中、松嶋さんは集中力が凄くて10回でも20回でも魂がこもった演技をされていて…正直舌を巻きました。どのシーンも松嶋さんの魂がこもった演技に引っ張っていただいたので、俳優としてどのシーンも興奮して演じることが出来ました。
僕は体力的にフラフラだったこともありましたが(笑)、松嶋さんは現場でもいつも全然疲れていなくて、明るいムードメーカーだったので、そういった点でもすごく救われました。信念強く、それでいて明るく、希望をもって常に前向きにのぞんでいる姿は希代とも重なるものがありますよね。
中国は暑くて乾燥している気候で、普通に撮影していても普段より疲れやすく感じて大変でした。撮影のシーンとしてはもちろん重要なところばかりですが、撮影現場はスタッフ・キャストみんな明るくて、楽しみながら撮影を進めることが出来ました。
あとは、ご飯がおいしかったです。中国でもご飯は必ずケータリングで作ってくださいました。さらに…宿泊先の目の前の飲茶屋さんが大好きで、スタッフの皆さんとご飯によく行っていました(笑)スタッフたちや一部のキャストは一ヶ月間ずっと中国に行きっぱなしだったそうなんですが、今日久々にナース8(希代の同僚看護婦)の皆さんにお会いしたら、迫力が増していましたね。一ヶ月皆で苦楽を乗り越えて団結力がさらに強くなっていて驚きました。過酷な状況下で絆が強くなっていくのもやはり、作品とリンクするところがあるなと感じました。
戦争という過酷な運命のなか、家族の絆を信じて生きる一人の女性の物語です。
8月1日・2日の2夜連続のスペシャルドラマ、ぜひご家族皆さんでご覧ください。