インタビュー

角野卓造さん(小島勇役)

幸楽の主人、勇さん。かつては母親・キミと五月の間に挟まれ、今は妹たちに悩まされ…苦労の耐えない勇さんを演じてこられた角野さん、どのような気持ちで演じてこられたんでしょうか?

これまで印象に残っているシーンなど教えてください。

第5シリーズくらいまでは必ず、思い切りお酒を飲んで荒れる、というシーンがあったんですよ。ご覧になっている皆さんからは期待されていましたね(笑)。男性は皆、同じようなことを考えていると思いますから、抑圧されている自分を解き放っている勇に、自分の代わりに言ってもらってスカッとしていたんでしょうね。
最近は比較的しらふで本音を言っています。母親と嫁の間で苦労することがなくなって、強くなったようにも見えますね。でも、男は常に受け止める板で、今は子どもと嫁の連合軍がぶつかってきたりしています。いずれにしても「男はつらいよ」ということです(笑)。

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今シリーズでは、眞くんのお酒のシーンが多いですね。1話では「お前と酒を飲むのが夢だった」という勇さんのセリフもありましたが…

眞もそういう年になった、ということですね。眞の酔っ払い方は、ぼくが手本なのかな?でも、ぼくから見れば、酔っ払いの芝居はまだまだです。酒飲み経験を積んでこないとね(笑)。
父親なら、男でも女でも「こいつが大きくなったら一緒に酒を飲みたい」って必ず思うんじゃないでしょうか。お酒が飲めるようになるくらい、成長を遂げてほしい、こいつも一人前になったな、て思いたいんですよ。

厨房でのシーンは、本当の料理人のようですよね。

厨房は火力も含め、きちっと中華料理用の本物です。調理しているシーンでは段取りをきちんとふまえて、ちゃんとしたものを作ろうとは思っています。このドラマはお店にお客さんが入って、出されたものを召し上がってくれますから、気を使いますよ。ちゃんと美味しくて見栄えのいいものを出したい!という気持ちはもちろんありますが、芝居をしながらだとなかなか…
でも、眞はぼくの作ったチャーハンを「美味しい」って、よく食べてくれましたね。

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久子さんと邦子さんが帰ってきて、勇さんはまた振り回されそうですが。

どんな確執があっても、血のつながった兄妹のことは、やはり何とかしてやりたいんだと思うんです。「悪魔シスターズ」なんて異名をとっている二人で、出て行って静かになった、なんて言いながら、勇さんは妹たちがかわいいんでしょう、結構助けてやっています。
妹たちが始めようとしている商売を、勇はもろ手を挙げては賛成していませんが、妹たちが何かをするのは、口で言うほどいやじゃないんじゃないでしょうか。二人とも、平穏だったときがあまりないですからね。

「おやじバンド」のシーンは、楽しそうですね。

ドラマの部分は女性が多い中で、数少ない男たちだけのシーンです。ドラマの撮影とは別に、バンドの練習が別にあるのですが、終わった後、ドラマの中さながら、飲みにいっています。世代も近いですし、遠慮がいらないメンバーで、気兼ねのない雰囲気が皆を帰らせないんです(笑)。
趣味が出来て、仲間がいると楽しいじゃないですか。気心の知れた仲間と楽しめるというのが楽しいし、仲間と一緒に目標を持って何かをやるというのは大事ですし、いいことだと思いますよ。
「おやじバンド」とは別に、幸楽のメンバーとは息抜きに2ヶ月に一度くらい飲んだりしています。周平(岡本信人さん)、たっちゃん(榎本たつおさん)、建治くん(岸田敏志さん)の4人で麻雀をしたり…幸楽メンズクラブと呼んでいます(笑)。

角野さんにとって、「鬼」とは、どういうものですか?

どんなに人を愛そう、大事にしよう、と思っていても「最後は自分がかわいい」という考えが鬼じゃないでしょうか。よかれと思ってやったことが、相手にとってはものすごくうるさいことかも知れない、自分の要求を押し付けているだけかも知れない。そういうことが人を傷つけてしまうんです。自分に対する欲が、人に対する鬼になってしまうんだと思います。

最終シリーズ、ご覧になっている皆さんにメッセージをお願いします。

やっている方は、特別なことをやるわけでなく、これまで通りなんです。1話ずつ、やりきっていくうちに最後までいってしまうんでしょうね。
複雑な人間関係がありますが、人間関係というのは、相手で変わっていくものです。勇は子どもも成人して、孫まで出来た。物語が流れていますから、それに対応した人間になっていくんです。人はいろんなことで変わります。一色では表現できないところが、人の面白さだし、それを見せてくれるこのドラマの面白いところですよね。物語はこの先、何が起こるか分からないですし、何があっても驚かないですよ(笑)。まだまだ先が長いドラマですし、予断を許しませんのでお楽しみに!