インタビュー

えなりかずきさん (小島眞役)

小島家の長男として、嫁姑問題を目の前で体験、さまざまな悩みを抱えながら成長した眞を演じてきたえなりさん。眞とともに歩んだこの20年、えなりさんが思うこととは…??

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「渡鬼の子役」といえば、えなりさん、あんなに小さかったのに前回のシリーズでは、結婚話が出てきましたね。大きくなったものです…

第3シリーズくらいまでは古風な子どもだと思っていたんですけれど、成長するにしたがって、新しいもの好きな子になりました。
中学生以降は、まさに「悩める青少年」です(笑)。ぼく自身もとても悩んでいて、もう役者としてやっていこうと決めてはいましたが、方向性とか、思うことと実際に出来ることは違いますから。
人って、悩みを人に話すときって、ずっとしゃべり続けているじゃないですか。ですから橋田先生のセリフも、よく「長い」と言われますけれど、実際に自分が悩みを聞いてもらうときにとても長く話していることを思うと、橋田先生のセリフはとても短くしていただいていると思います。

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そうは言っても、やはり小さい頃は苦労したんじゃないですか?

小さいときは「セリフを覚えて間違わずに言う」という、最低限のことが義務でした。でも、小学校高学年になってきたあたりから「セリフをどう言おうか」ということを考えるようになってきて、とても神経を使うようになりました。そうするとセリフを「思い出す」ということが2、3割の作業になってくるので、練習量は格段に増えました。一時期、練習が追いついていないときがあって、6回くらい撮り直しになってしまったことがあったんです。この現場でテイク6なんて、考えられないんです。今でもあのときのことはトラウマです。

どんなシーンだったんですか?

小学校5年生のときで、邦子おばさんと机をはさんで隆のことを話していたときだったと思います。セリフを言おうと思うと、口からは出てくるんですけれど、気持ちを入れようと思うと出てこなくて、パニックになっていました。その時の空気たるや、今思い出しても…
五月お母さん(泉ピン子さん)に怒られる、と思ってびくびくしていたんですけれど、「皆、その過程を経てきているんだから頑張りなさい。」と、優しく言っていただきました。それでほっとしつつも、気を引き締めました。

記憶術の本をよく読んでいた、と聞いたことがあるのですが…

今でも、新しい本が出るととりあえず買って読みます。大体、ぼくの中で一巡して「こういうことかな」というのは出来上がってきました(笑)。
毎回、セリフがたくさんあるときは石井先生が「今回は大変よ」と、心構えをさせてくださるんですが、このシリーズでは「今回のシリーズは大変よ」と…シリーズ通してですか!?と緊張しています。橋田先生からも「今回は難しい役どころだから頑張って」と声をかけていただきました。

眞とともに成長されましたが、実生活ともリンクしてた時があったそうですね。

同い年ですから、ぼくが受験生のときは当然眞も受験生です。
ぼくも眞も一浪して大学に入学しましたが、4月からの放送分を2月に撮影していて、ぼくの本当の受験時期だったんです。もちろん、東大ではありませんけれど(笑)。合格発表が第4話くらいで、そこまでキミおばあちゃんや久子おばさん達に「身の程知らずよね、落ちちゃえばいいのに」と言わていれるんです。ぼくはドラマのセリフのことだし気にしなかったんですけれど、沢田さんはじめ、周りの皆さんが「気にしないでというとまた意識させてしまうから、それすら言えない!」と、まるで腫れ物に触るように気を使ってくださったのが忘れられません。

このドラマは、本当に素晴らしい先輩方が出演されていますが、その中で眞を演じてこられて、いかがでしたか?

演じる上で、「きちんと声を出す」ということを学びました。
子どもってずる賢くて、ほかのドラマに出演させていただいた時に、「小さい声でささやくようにすると、上手そうに聞こえる」と思って、岡倉家でのシーンでそれをやってみたら、山岡久乃さんに「おなかから声を出しなさい!」と怒られました。
泉ピン子さんからは、まわりをしっかり見て盗みなさい、と教わりましたね。学校じゃありませんから、手取り足取り教えてもらえるものではありません。「自分と同じくらいの上手さ」と思う人は、自分より格段に上手だし、「自分より下手」と思っている人は、自分と同じくらいだから、自分より下手だと思う人の芝居をよく見て、自分の下手さ加減を勉強しなさい、自分が勉強できるのは、自分よりちょっと上手かな、と思える人しかわからないんだから、耳かっぽじって、よく聞きなさいと教わりました。

眞はこれまでいろいろ悩んできましたが、今回どうなっていくんでしょうね。

前回の貴子さんとの別れは、本当につらいことだったと思うんです。失恋というのは、家族を失うのとはまた違う、全てをなくしてしまうような感覚ですから。でも、ぼくも男ですから、恋の話を演じるとき、どうやろうかわくわくします。ジェラシーでどうにかなっちゃうんじゃないか、とか(笑)。

えなりさんご自身は、家族とは、どうあると幸せだと思いますか?

小さいうちは、出来る限り家族で話せることが幸せだと思います。ですから小島家は、いろいろなことがありますけれど、とても幸せな家庭です。だって、あれだけもめていても言い合えるということは、会話があるということですから。あとから思い返して「あんなことがあったね、バカだったね」と言えるじゃないですか。もめていても、ああやって会話がある家族がぼくの「理想の家族」です。