インタビュー

藤田朋子さん(本間長子役)

岡倉家の五女で、天真爛漫な長子さん。紆余曲折を経て、岡倉家で暮らすことになった長子さんを演じる藤田朋子さんにお話を伺いました。

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これまでのご出演で印象に残っていることを教えてください。

いろいろありますよね。ありすぎてこれといって一つ選べませんが、中でも山岡久乃さんとの思い出をあげるとすると第1シリーズで最初の夫・昌之さんの子・遊ちゃんの親戚を訪ねて雲仙に行ったのですが、その撮影のときに熱を出してしまって、山岡さんが看病してくださったんです。それぞれロッジのようなところに泊まっていたんですが、ふと目を覚ましたとき、目の前に山岡さんがいらっしゃって、「お医者さん呼んだから!」って。とても驚きました。皆さんともよく話すのですが、本当に家族のような感じですよね。

長子さんは、当時らしい「イケイケなギャル」でしたね。

ボーイフレンドもいっぱいいて…。バブルでしたよね(笑)。
現代的な女の子で、面白がってやっていました。役作りをしていて楽しかったです。一番典型的な形でいこうと思って、なるべく軽い感じを出すように心がけていました。基本的に岡倉家の娘なので、そんなに突拍子もないことは出来ないけれど、流行に乗っている、と見ていただけるように意識していました。その後、長子にはいろんな波がたくさんありました。「長子」というキャラクターは、末っ子なので甘えん坊だったり、わがままだったり、という部分がありますけれども、中でも「お父さんへの愛」の深さはいつも心掛けています。

英作さんと長子さんは、よく喧嘩もしていますね。

何度も「別れてやる」と言いながら別れていないのは、絶対に「別れない」という気持ちがあるからだと思います。「じゃあいいよ、別れよう」と言われない自信があるから「別れる」と言えるんだと思います。大好きだからこそ「別れる」という切り札を出して、なんとかこちらを向いてほしいとか、わがままを通したいとか思っているんですね。いくら悪口を言ったりしても、それは本心じゃないんです。つい言っちゃうことがあって、ドラマではたまたまそこが切り取られて画面から見えているだけで、お互い「大好き」というのが根本にある、ということが英作とは暗黙の了解で、大好きじゃなかったら、こんなに長く一緒にいられないと思います。

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見えている部分だけで判断してはいけないんですね。

大切にしているのは、このドラマは「ドラマの裏側」を抱えて演じているということです。画面を通じて表に見えている部分では、悪口や愚痴、わがままをいっぱい言っていますが、それと同じ分だけもう一つ違う面があるというのが大前提なんです。ちょっと意地悪な部分がセリフになっているだけで、「離婚する」と言っていても裏では「愛してる」し、「ひななんか知らない」、と言ったって大好きだし、「お母さんのことなんてほっとけばいい」なんて言いながら一番大事、というのが裏にあります。どこかで本当の気持ちを表現できるシーンがきた時、自分の中でそういう気持ちを持ちつつ、台本には書いていないけれど「こういう表情をしておくと後で伏線になる」、というようなことがたくさんあるので、その「裏」のところを汲んでもらえるような芝居は、セリフのない時の表情で表現できたらと思っています。

女優のキャリアのほとんど全て「渡鬼」にご出演ということですが、役者として得たことはどんなことでしたか?

本当にいろんなことを得ました。セリフの大切さ、長いカットをスタッフの皆さんと共に作り上げていく過程や、リアクションカットでどんな表現が出来るのか。橋田先生が脚本の中で言わんとしている、あの長いセリフの中で、自分がどれだけリアリティを持って表現していけるか、とても勉強になりました。

この先、皆さまにどう見ていただきたいですか?

近所に住んでいる家族で起こっていることのように思って見ていただきたいです。皆さんにもドラマの中に入り込んで、一緒に泣いたり笑ったりしてもらえたらいいな、と思います。