インタビュー

植草克秀さん(本間英作役)

五女・長子の夫、英作は紆余曲折を経て訪問診療を生涯の道と決めました。私生活では姑・常子と妻・長子にはさまれて苦労が絶えない英作さんを、植草さんはどう演じてきたのでしょうか?

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思い出に残っているシーンはどこですか?

登場したばかりの頃、長子さんの最初の旦那さんの執刀医として、岡倉家へお詫びに行くシーンです。
本当に緊張していて、お詫びに行ったのにお母さん・節子さんに出された座布団にそのまま座ってしまって、節子さん役の山岡久乃さんに「あなた、謝りに来たのに座布団に座っちゃダメでしょう!」と、とても怒られました。一応、考えてはいたつもりだったのに、いざとなった時には全部飛んでしまってました。今でも常に緊張する現場ですが、最初はさらにいっぱいいっぱいだったんですね。

このドラマは学ぶことが本当に多いです。役者として学ぶことはもちろんですが、一般常識だったり、日本の伝統だったり、人間的なことだったり…橋田先生の書かれるセリフは独特な言い回しがありますが、それも美しい日本語で、もうすっかりなじんでいますよ。「食事をこしらえる」とか、それまで使ったこともなかったのに、今は普通に言えるようになりました。

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実のお母さん・常子さんにふりまわされていますね。

英作は、弱いようでいて筋の通った男なんです。長子にふりまわされているように見えますが、自分のやりたいことははっきりしています。
母親とは、文句を言いながらも気になる存在なのは当たり前ですよね。「頼りがないのは元気な証拠」と言いますが、ぼく自身もたまに電話をかけたりしていますよ。

英作さんは、勇さんと一晩飲み明かしたりしていますが、植草さんはお酒は?

お酒の力を借りて、言いたいことを言う、ああいう自由奔放さはうらやましいです(笑)。ぼくはお酒があまり強くないので、誰かのところに行って、そのまま飲んで泊まってくる、ということは苦手です。

その割りに、とても真に迫った演技といいますか…

石井先生に言われたことがあるんですが、お酒を飲まない人のほうが、酔っ払いの芝居が上手なんだそうです。というのも、まわりの酔っ払いの人をよく見ているからなんですって。ぼく自身はお酒の席や、おつまみのような食事が好きなので、そういう席にはよく行っていますね。

渡鬼の中で、自分と似ているな、と思う登場人物はいますか?

かろうじて言うなら、葉子さんでしょうか。自由奔放と言いますか、思ったら即行動といいますか…。人は「いつかやろう」という考えではダメだと思うんです。とにかく行動すること。やらずに後悔するより、やってみて後悔したほうが納得できますからね。

やってみて後悔したことはありましたか?

ありますよ。後悔というより、失敗かな(笑)。具体的なことは内緒ですけれど「これをこうしてみたら、どうなってしまうんだろう」と試してみて、とんでもないことになってしまったり…(笑)。でも、「やってみた」からこそ分かったことで、やらなかったらいつまでたっても、知らないままで、それこそ後悔するかも知れない。それは若いときの話ですけど、いつかは大吉さんのような、きちんと物事を考えて、周りを守れるような人になりたいですね。

大吉さんは、男性から見ても頼りがいがありますからね!

なんと言っても悪口を言わないところが素晴らしいと思うんです。演じていらっしゃる宇津井さんご自身もそうですが、人の悪口を言わない人、という方は素敵だし、本当に信用できる人です。

植草さんにとっての「鬼」とは?

人生で起こることは、みんな「鬼」だと思うんですよ。それは「経験」ということなのでしょうか。いい鬼もいれば、悪い鬼もいる。「鬼」全てが悪いものではないんです。しかし受け止め方によって、いい鬼が悪い鬼に変わることもあります。鬼だというだけで避けずに、受け止めていくことで頑張っていける、ぼくはそう思っています。

ご覧になっている皆さんに、メッセージをお願いします。

今回のシリーズでも、予想外のことがたくさん起こります。本間家はじめ、ほかの家族も、どう揺れ動いて、どうまとまっていくのか…全く予想できないのですが、各家族が幸せになってくれれば嬉しいですね。