あらすじ:
『海道一のじゃじゃ馬娘』/清水(2011年8月8日 放送)
水戸老公(里見浩太朗)一行は清水に着いた。一行は派手な着物に身を包んだお蝶(土屋アンナ)とその子分たちが、船乗りたちと乱闘をしているところに出くわした。格之進(的場浩司)がお蝶の加勢をするが、かえって騒ぎを大きくしてしまい老公に叱られる。老公は、今後、拳を使わないようにと格之進に厳しく注文をつけた。
さて、お蝶は廻船問屋の主人、英三郎(平泉成)の一人娘である。しかし、お蝶は自分が英三郎の子ではないのでは、と疑っており、母親が他界してから父と娘は心が離れてしまった。
それでいて、お蝶は父親に似たところがあり面倒見がよく、揉め事があるたびに町の人々に頼りにされていた。
さて、最近体調が優れない英三郎は、お蝶に婿をもらい、幸せな結婚をして欲しいと願っていた。英三郎は江戸の商人の息子、正太郎(大柴隼人)を婿に決め、祝言を三日後に行う段取りをつけていた。
そのことを知り、ますます英三郎に反発するお蝶を家に連れ戻すよう、老公は格之進に命じる。お蝶と英三郎それぞれの心情を知り、老公は二人が深く愛しあっていることを確信する。
さて、正太郎が清水にやって来た。正太郎に嫌われるため、お蝶はわざと喧嘩を仕掛ける。格之進も巻き込まれるが、拳を禁じられており、格之進は、正太郎に殴られたまま耐えるしかなかった。
正太郎の怪しい言動に気付いた弥七(内藤剛志)は、正太郎の後で代官の園部文左衛門(立川三貴)が糸を引いていることをつかんだ。園部はお蝶の祝言を利用して英三郎を毒殺し、清水の実権を握ろうと企てていた…
『家族愛にまさる宝なし』/藤枝(2011年8月15日 放送)
藤枝宿に着いた水戸老公(里見浩太朗)と助三郎(東幹久)、格之進(的場浩司)、八兵衛(林家三平)は、住職、玄心(原金太郎)のぼろ寺に宿泊する。
すると寺の土蔵で、やくざの伝蔵(赤塚真人)が開いている賭場で事件が起こる。ケガのため野良仕事がままならない貧農の吾助(羽場裕一)が、最後にすがった博打で有り金を無くし、いかさまだと口走ったために、仕置きをされたのである。
老公と玄心の取り成しで事は収まったが、吾助は年貢と借金が払えないと、思いつめた表情で嘆く。不作が続く藤枝では人々は高い年貢に苦しんでいた。
ついに吾助の娘、お里(吉田里琴)が遊郭に売られてゆく。その身を案じ、弥七(内藤剛志)は、楓(雛形あきこ)を下働きとして遊郭に送り込む。
ところで老公は、家老の牧野忠右衛門(若林豪)に呼び出されて、孫娘、美世(荒田悠良)の祝いのために、京友禅を揃えて欲しいと頼まれる。
牧野は人々に苦しい生活を強いながら、自分は豪勢な暮らしを貪り、私腹を肥やしていた。吾助とお里の悲しい身の上を思い、老公は怒りがこみ上げるのだった…
『狙われたもてなしの宿』/浜松(2011年8月22日 放送)
水戸老公(里見浩太朗)一行は浜松に着いた。一行は一度わらじを脱いだ旅籠「浜中屋」を上客が入ったとの理由で追い出され、小さな宿「松乃屋」に泊まることになった。
松乃屋は、冨美(中村美律子)と千代(寺島咲)という母と娘が営んでおり、一行は二人の心のこもったもてなしを喜んだ。
だが、宿は深刻な悩みを抱えている。冨美の夫、多平(うえだ峻)は、三月前、客から預かった百両を盗賊に盗まれ、その上、賊に殺されたという。その時、浜中屋の主人、藤兵衛(有福正志)に金を借りてしのいだが、宿には多平の幽霊が出るなどの噂が立ち、次第に客足が遠のいてしまった。
浜中屋に借金を返せなくなったところへ、藩主の弟、青山忠成(吉澤健)が千代を妾に差し出せば、借金を肩代わりしてやると助け舟を出す。
しかし、青山は身分を笠に着た悪い噂が絶えない人物だ。老公は楓(雛形あきこ)を伴って青山の屋敷を訪ね、青山が評判どおりの悪人だと知った。
風車の弥七(内藤剛志)は、青山が藤兵衛と結託して、松乃屋を破産させようと企んでいることを知る…。
『楓に惚れた手筒花火師』/吉田(2011年9月5日 放送)
水戸老公(里見浩太朗)一行は吉田に着いた。老公は吉田神社の祭りで勇壮な手筒花火が奉納されると聞き、楽しみにしている。
一行とは別行動の楓(雛形あきこ)は、ふとしたことから花火師の丈太郎(森脇史登)と知り合い、丈太郎の母、おせい(浅茅陽子)に頼まれて家事の手伝いをしながら二人の家に留まることになった。
丈太郎の父、茂兵衛(加藤茶)は有名な花火師で、画期的な工夫をして強力な火薬を開発したが、半年前、仕事中の不審な爆発事故で死亡していた。父を亡くして弱気になっていた丈太郎は、明るい楓に励まされ、楓に思いを寄せる。
ところで、幕府鉄砲方用人、青木民部(中島久之)と鉄砲商人の長崎屋(津村鷹志)は、茂兵衛の工夫を譲るよう、あの手この手で丈太郎を懐柔する。
丈太郎が断ると、技を盗むために強引に家捜しをし、さらに丈太郎を陥れて無実の罪で捕え牢に閉じ込める。おせいにも魔の手が迫る。
風車の弥七(内藤剛志)の調べで、青木と長崎屋が結託していることが判明し、さらに茂兵衛は事故死ではなく、青木に殺されていたことが分かる…
『父と呼ばれて…』/岡崎(2011年9月12日 放送)
水戸老公(里見浩太朗)一行は岡崎へ。助三郎(東幹久)と格之進(的場浩司)は、老公が二人の目を盗むようにして一人で町を散策する様子を不審に思っていた。老公は秘かに町を巡り、名物の八丁味噌を商う「枡塚味噌蔵」を探し当てる。
その店には、数十年前に、江戸で老公と恋仲にあった娘、なつ(大和田美帆)が嫁いでいるはずだった。
老公を出迎えたなつの娘、こなつ(大和田美帆・二役)は、母親は前年に亡くなったと告げる。
落胆する老公に、こなつは母との思い出を聞かせて欲しいと促す。老公は、母にそっくりな娘に、かつての恋人を懐かしく思い出す。
こなつは老公と母が愛し合っていたのではないかと、思いを巡らせ、老公が自分の実の父親なのではないかと、想像を膨らませるのだった。
そこへ味噌屋の主で、こなつの父、半兵衛(布施博)が現われ、代官の磯貝保朋(清水昭博)に八丁味噌の商いを禁じられたと、困惑した表情で語る。
磯貝は上方の商人、岩田屋(入川保則)と結託して安価で粗悪な八丁味噌を作り、諸国で売りさばこうと企んでいる。その上、磯貝は美しいこなつに目をつけて、みだらな計略を巡らせていた…