2006年7月24日〜12月18日(全20話

あらすじ:

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第11話:
『美人壷振り恋の償い』/鳥取(2006年10月16日放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は鳥取へ。一行の後をお調子者の風来坊・おけらの新助(松井天斗)が付いて来る。あきれる助三郎(原田龍二)と格之進(合田雅吏)。たまたま行き先が一緒なだけだとすまし顔で語る新助に、老公は笑みがこぼれる。
 一行が町に入ると一行の目の前で、廻船問屋・汐見屋徳兵衛(中島久之)の息子・直太郎(筒井万央)が厳しい父親に反抗して家を飛び出して行った。直太郎は土地の親分・鮫蔵(草薙良一)一家のやくざ、末吉(山田浩太)を兄貴分と仰ぎ、賭場に出入りして一人前の渡世人気取りだ。
 老公と助さんは新助に連れられて賭場をのぞき、直太郎がいることを知って顔を雲らせる。その場にいた美人壺振りのお葉(池上季実子)は、直太郎を子供扱いし、早く帰れとたしなめる。
 直太郎を家まで送ったお葉は徳兵衛の顔を見て驚いた。徳兵衛はお葉が江戸で芸者をしていた二十年前に、将来を誓った相手だったからだ。
 お葉は老公に悲しい恋の顛末を語る。許されぬ仲だった二人は、駆け落ちを企てたが、お葉は恩人に頼まれて泣く泣く思い留まった。以来二人は顔を合わせることなく長い年月が過ぎた。徳兵衛が大店の主人になっていることを知り、お葉は安堵の表情を見せる。
 ところで鳥取では、海産物問屋・浜北屋宗兵衛(入川保則)が町奉行・松浪忠三郎(和崎俊哉)に取り入って汐見屋を乗っ取ろうと企んでいた。宗兵衛は鮫蔵を使って世間知らずの直太郎を騙し、汐見屋が藩に納めるために用意した香炉を盗み出させる。香炉を紛失したとなれば店の取り潰しは必定だ。
 徳兵衛の窮地を見かねたお葉は、徳兵衛の身代を守るため直太郎を必死で止めるが、鮫蔵の子分に襲われけがを負う…


第12話:
『母と呼ばせた大相撲』/松江(2006年10月23日放送)

 水戸老公(里見浩太朗)は、出雲大社に立ち寄りおみくじを引いた。「人助けで気運好転」とのおつげが下る。その矢先、一行は林の中で首を吊ろうとしていたお時(烏丸せつこ)を助ける。
 涙ながらに、病いの夫を抱え借金を返す当てがないと語るお時に、気前よく三両を渡してしまう老公。助三郎(原田龍二)と格之進(合田雅吏)は、出来過ぎた話だと首をひねる。
 案の定、松江の城下に入ると、そば屋には上機嫌で酒を飲むお時の姿が。首吊りが狂言だと分かり、格さんはそら見たことかと腹を立てる。老公はしばらく様子を見ようとなだめるのだった。
 その頃街では勧進相撲が行なわれ、力士や見物客が集まり賑わっていた。ところが藩のお抱え力士、黒龍山(高山謙二)は、藩の威光を笠にきてやりたい放題。街中で暴れ人々に恐れられていた。
 勧進相撲の裏では、勘定奉行・片山内膳(深江章喜)と物産問屋・大前屋彦六(北町嘉朗)が結託し、黒龍山配下の力士たちを使って街の人々を脅し、強引に寄進を集め、私腹を肥やしていたのである。
 黒龍山の弟子の与兵衛(両國宏)がただ一人、黒龍山をいさめようとするが破門されてしまう。そうなると大好きな相撲を取れなくなる。大きな体が飯も食えなくなってしまうと与兵衛は途方に暮れる。
 そこへお時が救いの手を差し伸べる。食事を与え、稽古に精を出すよう励ますのだった。
 お時は、相撲が好きだった夫と幼い息子を火事で亡くして以来、相撲が行なわれる各地を点々と渡り歩く暮しを続けている。お時が狂言の首吊りで金を作っては、恵まれない子供達のためにと寺へ寄進をしていると知り、老公はその行いを不憫に思う。
 与兵衛が勧進相撲で相撲を取るための支度金、一両を作るため再び首を吊ろうとするお時をたしなめて、老公が金を工面することに。
 与兵衛に亡き息子の姿を重ねるお時と老公の声援を受け、与兵衛は順調に勝ち進む。
 最後の取り組みは与兵衛と黒龍山だ。与兵衛に勝たれては悪事の全てが露見してしまうと恐れた片山と大前屋はならず者に与兵衛を襲わせる。与兵衛は深手を負った。
 黒龍山の不戦勝かと思われたその時、与兵衛が土俵に上がる…


第13話:
『お江戸から来た凸凹家族』/萩(2006年10月30日放送)

 水戸老公(里見浩太朗)は、おけらの新助(松井天斗)が向かったという萩へ足をのばすことになった。
 萩には、新助の両親、権太(魁三太郎)とおかつ(重田千穂子)そして居候の安五郎(桜金造)が、新助を江戸に連れ戻すため、はるばる出向いていた。権太はよろず屋を営んでおり、新助に後を継がせたいと願っている。
 だが新助は父母の説得には耳を貸さず、萩焼の陶工、太兵衛(石立鉄男)の工房に入り浸っている。新助は、太兵衛が実は権太の父親であるとの噂を聞き、親の温もりを知らずに育った権太を、父親に引き合わせたいと考えていたのだ。
 その頃萩では、町奉行の保坂頼母(原口剛)が物産問屋の春木屋儀兵衛(出光元)に陶芸に欠かせない土を独占させて、私腹を肥やそうと画策していた。だが太兵衛にはその企みを見破られており、保坂と春木屋にとって太兵衛は邪魔な存在だ。
 かといって殿様とも親しい太兵衛に乱暴なことはできない。春木屋は新助と安五郎を巻き込んで、太兵衛を陥れるための罠を仕掛けるのだが…


第14話:
『父子結んだ石州和紙』/津和野(2006年11月6日放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は津和野に到着した。老公はこの地の特産品、津和野紙の紙漉き名人、源造(綿引勝彦)と知り合った。源造の亡き息子の未亡人、お小夜(長山洋子)は義父の下で厳しい修行を続け、腕を上げている。
 ところで最近、大坂で津和野紙の名前を変えて売り捌いている者がいるという噂が広まっていた。藩の重要な特産品である紙の横流しは大罪である。
 噂の紙の鑑定を依頼された源造は、それが十年前に仕事の意見が合わず家を飛び出した、自分の息子・恭平(村井克行)の手による品だと見破った。お小夜もそのことに気付き、恭平を探し出し源造と話し合うよう勧めるのだった。恭平はお小夜の夫の弟にあたる。
 お小夜は恭平に悪事の片棒を担がされていることも告げるが、強情な恭平は源造と紙漉きで勝負し、源造が勝ったら話を聞いてもいいと頑固な態度を崩さない。
 だが勝負を受けるためには源造は歳を取り過ぎていた。源造に替わってお小夜が紙を漉くことになり、老公が勝負の行司を買って出る。
 ところで紙の横流しは、次席家老、栗栖典膳(中原丈雄)と庄屋の藤左衛門(津村鷹志)が私腹を肥やそうとして仕組んだことだ。老公は裏取り引きの商談を偽って栗栖に接触し、悪事を見破った。  そして勝負の日。お小夜と恭平が漉いた紙は甲乙付けられないほどの出来映えだ。
老公は意外な方法で優劣を決し、源造と恭平を和解させる。
 さて横流しの噂が藩の重役にまで届くようになった。悪事の発覚を恐れた栗栖は、恭平を始末するよう命じるのだが…


第15話:
『お娟が挑んだ女の対決』/徳山(2006年11月13日放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は徳山へ。一行とは別行動のお娟(由美かおる)は道中、徳山藩の藩士に囲まれ尋問を受ける。侍の頭・浅水真二郎(あさみ・冨家規政)は怪しい旅の女を捜索していると打ち明け、人違いであるとお娟に詫びる。
 真二郎が探しているのは忍びの女・蛍火(棚橋幸代)とその一味である。蛍火は徳山の藩主・毛利元次(江藤潤)の命を狙っているという。
 徳山では近く、藩祖・就隆(なりたか)の法要を行なうことになっていた。元次は法要の後、就隆が残した宝箱を開け、領民のために堤の修復を行なおうと考えていた。
 真二郎は元次が蛍火に襲われ、間一髪で危機を逃れたことがあると、緊張した表情で老公に打ち明ける。元次は殿様思いの真二郎を信頼し、真二郎もそれに応えるため懸命の警護に当たる。
 お娟は蛍火が山小屋に潜んでいることを突き止める。知らせを受けた真二郎は、一味を急襲するが取り逃がす。蛍火の反撃にお娟も苦戦。怪我を負った真二郎をお娟が手厚く看護する。
 真二郎は、殿様に忠義を尽くすあまり、病に倒れた妻・浪路(由美かおる・二役)の看病も十分にできず、浪路は死んでしまったと寂しそうに語る。お娟は浪路に瓜二つだという。
 法要が迫る中、宝が納められた蔵の管理をしている大河内半蔵(柄沢次郎)が殺された。真二郎は宝箱を開くことができる唯一の家臣、家老の中島図書(成瀬正孝)が宝を横領し、元次の命を狙っていると気付く。蛍火は中島の命で動いている。
 そして法要の日。僧侶が扮した老公と助三郎(原田龍二)、格之進(合田雅吏)が警戒するが、娘に扮して忍び込んだ蛍火が元次を襲う!…



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