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第4章

オセアニアと東アジアのミイラ

オセアニアは太平洋に位置する大陸・島々の総称で、その大部分が熱帯に属し、湿度や温度は概して非常に高い。また、東アジアも、一部の乾燥帯を除き、高温多湿である。したがって、これらの地域はミイラの保存にとって適した環境であるとは言い難い。
オセアニアには複数のミイラ文化が存在していたが、20世紀になるとミイラづくりが行なわれなくなり、また現存するミイラも少ないため、その実状はよくわかっていない。 中国でも自然ミイラは多数発見されているが、「生前の姿を残す」ことを目的とした文化はほとんど存在しない。
日本の気候は高温多湿であり、土壌も酸性が強いため、人骨まで溶けてしまう場合が多い。それにも関わらず、これまでに江戸時代の遺跡からは、自然ミイラが数体発見されている。また、日本には仏教思想に基づき即身成仏を切望した行者(ぎょうじゃ)または僧侶のミイラのことを「即身仏」として崇拝の対象とする考えがあり、現在でも大切に保存されている。

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精霊像

セピック川流域に住むイアトムル族には次のような神話がある。「海の中心にはワニがいて、ワニの糞から土地が、ワニの体から人が生まれた。しかし、成長した人は親であるワニを殺してしまった。人は親殺しの罪に泣きぬれ、その鼻は垂れ下がって、涙はセピック川になった」。この像は人の祖霊を示している。
個人蔵

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肖像頭蓋骨

「肖像頭蓋骨」は、亡くなった本人の頭骨を基にして、粘土や樹脂などで肉付けを行い、生前の顔つきが再現されている。顔の模様は生前の入れ墨や祭りの際にしていたペインティングが再現されており、まったく同じ模様の「肖像頭蓋骨」は存在しない。
レーマー・ペリツェウス博物館 ROEMER- UND PELIZAEUS-MUSEUM HILDESHEIM

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本草学者のミイラ

現在確認されているうち、学問的な探究心で自らミイラとなった唯一の日本人のミイラ。CTスキャンによる調査の結果、亡くなる直前に「柿の種子」を大量に摂取していたことが分かった。
国立科学博物館

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即身仏「弘智法印 宥貞(こうちほういん ゆうてい)」

真言宗で修業を積んだ高僧の即身仏「弘智法印 宥貞」。現在は福島県石川郡浅川町の貫秀寺に安置されている。「薬師如来十二大願(薬師如来が悟りを開く前に人々の病気を治し、命を長らえるための誓い)」を説法し、入定された。
小貫即身仏保存会

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主催:国立科学博物館、TBS、日本経済新聞社
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