インタビュー

長瀬智也さん(黒河内圭太役)

台本を読んだ感想を教えてください

刑事のお話だと聞いていたので、いわゆる “刑事ドラマ” という概念は僕の中にあり、なんとなく思い浮かべていましたが、企画書や台本などを読んでいくと、僕が持っていた “刑事ドラマ” という概念をぶち壊された作品でした。こういう形の刑事の物語もあるんだ… と、そこに惹かれました。

演じる黒河内について…

黒河内がやっていることはダークでえげつなくて、人を追い詰めて… まるで凶器を使わない殺人鬼みたいで不気味… というのは原作を読んだときから感じていたことだったので、その空気をどうやって表現しようか模索しながら撮影に挑みました。
彼は3億円事件の真犯人である巨悪に向かっているので、足元の事件だけをやっている刑事たちよりも、常に遠くを見据えています。
黒河内が抱えているものを知ったとき、果たして彼が今までやったことが黒なのか白なのかと考えると… 深いものを感じました。彼がやっていることはすごいダークだけれど、単にダークな刑事というだけではない… そういう印象がありました。

実際に演じて、大変だった部分は?

いわゆる “みんなが見ている黒河内” というのはスタンダードではない。演じているんです。本当はすごく孤独で寂しくて切ない過去を背負っている男なんだと思います。そんな黒河内がたまにフッと見せる何を考えているかわからない瞬間。“無” を表現するのが大変でしたね。

黒河内の髪型・衣装について…

僕の中ではこの髪型しかなかったですね。
衣装合わせのときに、様々なスーツを着ましたが、やはりどこか黒河内に思い描く胡散臭さがありませんでした。試行錯誤した後、「やはり髪型かな?」 ということになり、もともと短髪にする気ではいたのですが、その中でもするなら角刈りしかないなと僕は思っていました。
角刈りと一言で言ってもけっこう緻密な計算があるんですよ。黒河内には、角刈りが少し伸びたエイジングのタイプがいいなと。本当の角刈りはもっと短くてすっきりしたものですよね。緻密に考えてこの髪型に決めました。さらに服装に関しても、“昭和の刑事みたいに” と頭の中にあり、しかも彼 (黒河内) は、政治家から大金を巻き上げているので、一般よりは上質な格好をすると思ったんです。なので、髪型はオールドスクール (保守的) だけどスーツはニュースクール。それが新しいインパクトにならないかと相談をして、衣装合わせのときにスタッフと決めていきました。
こうして実際に髪の毛切って衣装合わせをしたら、何を着てもピッタリ!
いろんなことが化学反応を起こして形になった黒河内像だと思います。さらにそんな黒河内の隣に剛力さん演じる清家… 初めて2ショット撮影をしたときも面白い感じになっていました (笑)。
もちろん容姿じゃないモノの方が演じる上では大事なことだと思いますが、髪型とか洋服は見る人にとって、空気みたいなものですよね?そういった目で捉えられるものとして、今回の作り上げた “黒河内像” は正解だったと思っています。

ご自身が思う黒河内の魅力的な部分は?

“核” となるところをちゃんと持っている。どれだけ笑ったりふざけたりしていても、抱えているものに向かっていくブレなさ、目的のためだったら自分のいる組織の警察を敵に回してでもそこに行く、手段を選ばないというハングリー精神。そういうところは魅力的に思いました。
黒河内が動くのは、そこに必ず理由があるので、彼の理由がわからないうちに、かっこいいとは思って欲しくはないです。理由のために無我無心で動いている姿をかっこいいと言いたいし、言って欲しいです。きっとドラマを見ているうちに彼が抱えている闇の部分が見えてくると思います。1話だけでは全貌は明らかになりませんが、彼のバックボーンは、お話が進むにつれて徐々に出てきますし、単純に “ダークな奴” ではなくて、黒河内という人物の深みを感じていただけたらいいなと思っています。

最大の未解決事件をエンタメとして届けることに関して

僕自身、10年前に3億円事件の犯人役を演じたことがあります。そのときの作品が3億円事件の真実に近いと言われていました。実際に犯人を演じるにあたり、3億円事件のことも調べたのですが、あれだけの現金を強奪したにも関わらず、犯人は誰も傷つけていない… けど自分たちは傷ついたのかなぁとか考えたりもして…。
実はその作品のとき、沢渡を演じる渡部篤郎さんと共演させていただいていて、今回再共演するにあたって 「3億円事件」 というワードが出てきたことに驚きました。
個人的にも、とても興味を持っている事件ですし、時代背景も好きなので、それを題材にして 『クロコーチ』 を作り上げていくことができてとてもうれしく思っています。
今の時代、3億円事件を知らない方もたくさんいると思いますし、このドラマをきっかけに自分たちの国で起きた日本最大の未解決事件を知ってもらえたらいいなと思っています。

コンビを組む剛力彩芽さんとの共演について…

バラエティ番組では何度かお会いしたことがありますが、ドラマでは初めてです。
『クロコーチ』 では、黒河内のちょっと胡散臭い感じと彼女が演じる清家の透き通ったコントラストが面白いなと思っていて、実際に並んでみて、自分自身でもそのコントラストを感じられたので、並んだときのおもしろさは、みなさんにも感じていただけるのではないでしょうか。黒河内と清家の温度差や着目している部分とか見据えているものの違いもまた面白くて、一緒に撮影を進めていくのがとても楽しみになりました。

撮影スタッフについて…

この作品を一緒に作り上げているスタッフたちは若いメンバーが多いからか、発想がいい意味で攻めているというか… 「いいものを作ってやろう!」 という気持ちが滲み出ている人たちが多いです。「表現的にこれはどうかな?」 と考えてしまうことも考えない。それよりも自分たちの表現したい気持ちをどう表現できるかと考えることが多かった気がします。一言でいうと… 攻めていますね (笑)!
自由に表現できることが少なくなっている中で、熱い気持ちでやっている人たちがたくさんいるので、おもしろい作品になっていると思います!

今後、黒河内をどう演じていこうと思いますか?

考えるのは監督や制作のプロのみなさまに任せて、僕は黒河内を一生懸命演じるだけ。伝えたいメッセージは、スタッフと一緒に最後まで持ちながら演じ、僕の演技を見たスタッフが何かを考えて、その意見を与えられて… そして演じて… ということの繰り返しになればいいですね。
とにかく、「クロコーチ」 は、“刑事ドラマ” と、ひとくくりで言いたくない作品です。僕が初めてこの台本を読んだときに、自分が持っていた “刑事ドラマという概念” をぶち壊されたように、視聴者のみなさまにも同じように概念をぶち壊してあげたいなと思います。楽しみに見ていただきたいです!


金曜ドラマ『クロコーチ』公式Twitter

@kurokouchitbs(Twittter社のサイトへ移動します。)