インタビュー

[第三回]水原哲 役 / 村上虹郎さん

Q水原哲の人物像と、役作りに関して教えてください。

1話で14歳の水原哲が出てきましたが、最初は「まさか14歳も僕が!」って(笑)。でも、少年時代も演じられるというのは、大人になってからとの違いを見せることができるので、これは見せ場だなと思いました。
水原にとって、兄貴を亡くしたことはとても大きいと思います。悲しい気持ちだけでなく、戦争に対する漠然とした怒りも感じただろうし、もしかしたら「兄貴、何やってんだ。ダサイじゃないか」みたいな気持ちもあったかもしれない。そういう自分の中でも消化しきれない感情が渦巻いていた少年時代ですね。それゆえにぶっきらぼうですが、根は優しい男だと思います。
水兵になってからは、体つきや面構えの変化は意識して演じました。ただ、彼が少年期から持っているプライドや美意識は変わっていないと思います。それと想像ですが、身近な人間の死を経験すると、人として大きくならざるを得ない気もします。そんな彼のこれからに注目していただけるとうれしいです。

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Qすずを思い続ける水原哲をどう感じますか?

もしも戦争がなければ、一緒になりたいくらいの気持ちはあったと思います。すずの結婚話を聞いた時はショックだったと思うけど、それよりも彼女を心配する気持ちや、幸せになってほしいという思いが強かったんじゃないかな。まだ自分に自信もなかったと思うんです。だから気持ちを打ち明けることもなかった。
僕自身も同じ立場だったら、未熟な自分をわかっていながら前に踏み出すことはできないですね。哲の気持ちはよく分かります。

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Qすず役の松本穂香さんとご一緒していかが?

同い年なんですよね。最初はおとなしい方なのかなと思いましたが、話していると明るくて、現場でも他愛もない会話をしています。趣味は「強いて言えばお菓子作り」って言っているのを聞いて「あぁ、いいな」って(笑)。お菓子作りが趣味というのは僕にとって原点に近いイメージ。周りに流されないって素敵だし、家庭的だし、役のすずに通じるものを感じました。

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Q戦時中の物語ですが、あらためて感じることは?

戦時中でも、恋愛は意外と普通にあったんだということに、今回ちょっと安心したというか…。もちろんドラマではありますが、恋愛でも人付き合いでも、きっといろんな思いや葛藤を抱えながら暮らしていたんでしょうね。
それに、この時代は個性が許されない集団行動のイメージがありますが、だからこそ自分はどこに重きを置いて生きるかは大事になると思うんです。このドラマは登場人物それぞれが大事にしていることが描かれていて、もちろん水原にもそれがあるので、そこがいいなと思います。

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Q3話に水原らしさが出てくる場面がありますね?

水兵たちが久しぶりに陸に上がって、洋食屋で飲むシーンですね。これは原作にもないエピソードです。そこで松坂さん演じる周作と出会いますが、これまでにない水原哲の一面をご覧いただけると思います。
その撮影の時、監督から「大勢の水兵の中で、水原は精神面においてリーダー的存在であってほしい」と言われました。
ちょっと例えは違いますが、僕自身仲間と食事に行ったりすると、みんなが「(注文は)何でもいいよ」という中で僕が決めたりとか、その場を引っ張ったりすることがあるんです。そこは役との共通点かなって。
3話での周作との出会いは、これから先の展開にも関わってくるので、ぜひご覧いただきたいです。

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Qご自身が大切にしている日常って?

今は、一人でいる時間です。僕はもともと寂しがりやで、人といたいタイプなんです。でも、そこに甘んじてちゃいけない気がして、最近はあえて一人になる時間を作るようにしています。
芸能界の仕事をしていると、テレビや映画やファッション…本当に世界が刺激的に広がっていく。それはそれで楽しいし大事なことですが、それに流されて「自分って何なんだろう」となってしまうのは嫌なんです。自分の軸をしっかり持つためにも、一人で考えたり、勉強したりする時間を大切にしています。

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