出演者インタビュー

月曜ミステリーシアター『刑事のまなざし』2013年10月7日より毎週月曜よる8時放送

出演者インタビュー

椎名桔平さん 夏目信人役

今回演じる夏目信人とはどんな人物でしょうか?

40歳を越えて刑事へと転身した男ですが、法務技官のキャリアというのは、刑事一筋でやってきた警察官とは、ちょっと違うというのはあるでしょうね。原作とドラマのタイトルにもある“まなざし”という言葉がありますが、夏目は“人間の見かた”というものが、普通の刑事の目線とは違うところがあり、そこが夏目というキャラクターに繋がっているのだと思います。

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それと、僕個人的には、主人公の名前に惹かれるところがあります。なぜ、夏目なんだろうとか。夏の太陽の日差しなどをイメージできますし、そこにセミの鳴き声なんかが加わったらちょっと物悲しい感じになるだろうなとか…。でも、こればかりは原作者の薬丸さんに聞かないとわからないですよね(笑)。

そんな夏目を演じることについて考えることは?

まず彼の中で、娘に起こった悲しい事件というものがあって、それを一生抱えて生きていかなければならないということがあります。彼は、その悲しみを乗り越えたのか、そうでないのか? ということに関しては原作にも書かれていない部分なのでわかりませんが、その事件をきっかけに、彼に大きな変化があったのは確か。それと、法務技官という仕事を通して多くの人の心と向き合ってきたはずなので、その経験によって、夏目という人間自身も成長してきているはず。そういった背景があって、刑事へと転身した夏目の「刑事のまなざし」に繋がっていくところだと思うので、その部分がうまくリンクしていけるよう演じていけたらと考えています。

“まなざし”という言葉について感じることは?

単純に“視線”や“目線”ということで言ってしまうと、いろいろと限界が出てくるというか限定されてしまいますが、「相手を見る」とか「事件を見る」という夏目の言動ということでいうと、それらに対する彼の行動や考え方など、全てが“まなざし”という言葉に繋がっていくのだと思います。事件を紐解く上での彼の“思考”というものが、この作品でいう“まなざし”、つまり「刑事のまなざし」になっているんでしょうね。

どんなところがこの作品の魅力だと思われますか?

夏目という刑事が主人公ではありますが、その根底には“家族”というテーマがあって、そこがこの作品の土台になっていると思います。それは、夏目の家族はもちろん、罪を犯した者、被害に遭われた人たちにも家族がいて、そういった部分が描かれることで、普通の刑事ドラマとは違った作品になるだろうと想像しています。

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それと、刑事モノというと、いわゆる勧善懲悪というお話が多いですが、この作品はそういうものではありません。もちろん、事件が起きてその犯人は出てきますけど、この作品が描いているのは、罪を犯す人にもそれぞれ理由があるということ。そこで、犯人に共感するとかしないとか、これだけの事件を起こしたのだからこれだけの刑に値するなど、そういうことはまず別の話しとして、人の心の傷の深さや、それをどう再生させていくのか? ということを、夏目のまなざしを通して感じてもらえたら良いと思います。
世の中では、毎日たくさんの事件が起きますよね。ニュースで紹介されるものもあれば、微罪な事件など、一般の人には知られることのない表に出てこない事件もありますが、微罪な事件だから、その事件に関わった人たちの心の傷は浅いかというと、そうとも限らないじゃないですか。心の傷の深さは、それこそ人それぞれ。この作品は罪を犯した人に寄り添うというか、それぞれの傷の深さを浮き彫りにしていくという部分が、大きな魅力だと思います。

視聴者のみなさんへメッセージをお願いします!

昔からよく「生まれながらに悪い人はいない」という言葉があるじゃないですか。夏目のまなざしも、そんな感じで、どこか温かな空気感のあるものになればいいと思います。ぜひご覧ください。

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