現場レポート

13  第2話、放送終了後記

【和宮の衣装について】
放送後、ファンメッセージ等に「和宮がなぜ足袋を履いていたのか」などといった疑問を書き込まれる方が多数いらっしゃったので、こちらの件について少々触れてみたいと思います。確かに、「お江戸マメ知識」でもご紹介したとおり、皇女和宮は京から降嫁してきた女性なので、当初は御所のしきたりに則り、足袋というものを履かないで過ごしていたようです。ですが、夫・家茂との仲を深めてゆく中で、徐々に幕府のしきたりに従うようになり、最終的には足袋を履いていたという記録も残っているのだとか…。彼女が“いつから足袋を履くようになったのか”については、今となってはそれを推し量る明白な根拠がないのだそうです。

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原作での和宮は裸足で描かれていたこともあり、彼女が足袋を履く姿に違和感を抱いた方も多かったようですが、ドラマでは「頭だけはまだ御所風、でも着るものは幕府風」という、愛らしい”黒川和宮”が誕生したのでした。

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黒川さん、クランクイン日のセット内にて

【牢獄体験ツアー!?】
3月3日、4日とスタジオで続けて撮影が行われていたのは、『牢獄のシーン』でした。安道名津に毒を盛った疑いをかけられた仁が、小伝馬町の牢屋敷へ投獄されてしまうというエピソードは、ちょうど原作でいうと第8巻に描かれているのですが…この日、薄暗いセットへ足を踏み入れると、あの漫画のイラストをそっくりそのまま再現したかのような大きな檻が用意されており、中には周囲と同化しているかのような色合いのボロ着物をまとった30名ほどの男性エキストラが。そこへやってきた「牢名主」役の宇梶剛士さんも、「穴の隠居」役の佐藤蛾次郎さんも、つま先から頭のてっぺんまで、みごとに全身汚れ&埃まみれ(笑)!!

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牢獄のセットにて。スモークを炊いているので、とにかく埃っぽかったです

そして…衣装さんに聞いてビックリ!!なんと彼ら(囚人たち)の衣装はすべて、このシーンのためだけに用意したものなんだそうです。てっきり私は「使い古しのいらない着物をかき集めて、それをさらに汚したものなんだろうな…」なんて思い込んでいたのですが、実はそうではなく、約40着分の着物を一から仕立て、染め、ヤスリをかけ、破いてボロボロにして、汚くみえるようにさらに汚しをかけているのだとか!

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台本を手に、スタッフと段取りを確認中の大沢さん

この日も、いつも愛用している黒いタンブラー&黒いカバーのかかった台本を手に、スタジオへ入ってきた大沢たかおさん。取材陣から「今日も大変そうですね」と声をかけられると、「いつもっちゃいつものことなんですけれど、(クランクインしてから)ずっと大変な気がします(笑)」と苦笑いを浮かべて答えていらっしゃいました。

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ド迫力!の牢名主を演じていたのは、ご存じ・宇梶さん。写真を見ただけでも…おお怖っ(笑)!

仁が「作造り(人員を減らすため、牢内で殺人を行うこと)」されてしまいそうになるシーンでは、苦しみもがく仁の姿を“長回し”で撮影した平川監督。そのため、映像でも、あのシーンでの大沢さんは目が真っ赤に血走り、苦しむ仁の姿が非常にリアルに伝わってきましたよね。
この撮影の翌日、衣装合わせの合間に、平川監督へ「(昨日は)納得したものが撮れましたか?」と尋ねていた大沢さん。「バッチリでした、ありがとうございます」と答える監督に、「まぁ、納得していなかったら、何度でも撮り直す人ですからね、平川監督は。その点に関しては、血も涙もないこと、知っていますから(笑)」と笑い飛ばす大沢さんに、”今後の展開でどんなシーンが待ち受けていようとも受けて立つぞ”という、役者としての覚悟を垣間見たような気がしました。

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「石抱き」のシーンの撮影風景です

「どのセットもそうですが、牢獄も本当によくできていましたね。なんだか”体験ツアー”に参加しているみたいでした(大沢談)」。

今週末放送の第3話では、さらなる刑罰が仁先生を襲い…!?
いったい彼の無実は証明されるのでしょうか。
『牢獄編』もラストまでお見逃しなく!!