特集
アンデスI「激走!7500キロの大山脈」アンデスII「列車でゆく天空のインカ帝国」

有名なナスカの地上絵は、天野ディレクターが実際に見てほしいとオススメする世界遺産。
描いた人たちは見られなかったであろう、巨大絵の仕上がりを上空から見ていきます。
─数多くの南米の世界遺産を取材されてきた中で、視聴者のみなさんがもし訪れるとするならば、天野さんオススメの場所はどこでしょうか?
天野:南米の世界遺産の中には行くだけでも命がけという秘境も多いのですが、そんな中でも見ていただきたいのはナスカの地上絵です。
─オススメするポイントを教えてください。
天野:有名な遺跡ですが、巨大な絵が地上に描かれた目的や方法など、まだ解明されていないことがたくさんあります。しかしハッキリしていることは、1000〜2000年ほど前の人々が、自分たちで工夫をして、全体像を確認できないほどの巨大な絵を描き上げたという事実です。
─地上絵に関しては、その起源や方法、目的について、様々な説が唱えられていますね。
天野:中には宇宙人説などというものもありますが、それは逆に想像力が足りないですね。地上絵は、小さな絵を拡大するという方法で、地面を木の棒で削って描いたものです。「どうやって描かれたのかわからない不思議な絵」ではなく、仕上がりを計算して作られた「作品」なのです。そのデザインは斬新で、今見ても独創的です。
─地上絵には、南米に生息する様々な動物が描かれていますね。
天野:砂漠の中に、南米各地に生息する動物が描かれたのは、南米の自然と文化を集約したような印象を受けます。こんな巨大な絵を描いておきながら、当時の人々は、上空から仕上がりを確認することができなかったはずです。彼らの代わりに、みなさんでこの巨大な作品の仕上がりを見てあげてほしいと思います。まずは番組でじっくりご覧ください。

リオアビセオ国立公園には、謎のチャチャポヤス文化の民が築いたロス・ピンチュードスの遺跡があります。世界で最も行きづらい世界遺産と言われています。

ウマワカ渓谷の集落には、スペイン侵攻以前のアニミズムを信仰する文化が残されています。祭りの中で、埋められた古の神を掘り起こして祀り、虐げられた歴史を語り継ぎます。
世界遺産の歩き方
「ナスカの地上絵」で知られる、ナスカとフマナ平原の地上絵は、セスナの遊覧飛行で上空から見学することができる。セスナの機種によって高度やコースが異なるが、一般的に小さな機体ほど低空で飛んでくれるので地上絵を見やすい。搭乗者数が少ないためやや料金が高く、機体の揺れが激しいが、2〜3人乗りのコースがお勧めだ。