特集
インドのマハラジャが280年前につくった天文台「ジャイプルの天体観測施設」
―現代のインド人は占星術をどのようにとらえているのですか?

江夏:インドの人々は、ほぼ全員が自分のホロスコープを持っており、結婚や就職などといった人生の転機に、お抱えの占い師のもとへ訪れて未来を占ってもらうそうです。
―結婚や就職までもが、占星術を参考に決められるというのは、かなり驚きです。
江夏:そうですね。日本人で言うところの厄年と同じような感覚かもしれませんが、もっと個人個人で異なっており、かつ詳細なのです。インドでは子どもが生まれるとすぐに親が子どものホロスコープを作りに行き、その子の将来を占います。また、この国では見合いによる結婚が一般的なので、見合いが決まるとまず娘側の両親が相手の男性のホロスコープを取り寄せて占い師に相性を聞きに行くようです。
―実際にどんなふうに占うのか、興味深いですね。
江夏:番組では実際にインドの方々に取材をし、両親が娘の結婚を占ってもらう場面と、生まれたばかりの子どもの未来を占ってもらうところを放送しますので、お楽しみに。
―今回の放送では、世界遺産だけでなくインドの知られざる一面も知ることができそうです。それでは最後に、視聴者の方へのメッセージをお願いします。
江夏:一人の天才の情熱と遊び心がつくりだした「ジャイプルの天体観測施設」。その背景には、現代のインドにも受け継がれている占星術の文化がありました。今回の放送では、そんなインドの人々の変わらぬ風習や文化にもスポットを当てています。皆様お見逃しなく。
世界遺産の歩き方
群馬県「県立ぐんま天文台」には、ジャイプルの天体観測施設にある計測器のレプリカが一部展示されている。この天文台を設計した、日本を代表する建築家である磯崎新氏が、その芸術的な造形に注目し、レプリカを製作したのだという。実際に観測も可能なので、インドまで足を運ぶ余裕がない方にはオススメのスポットだ。