特集
世界帝国の地下と辺境に迫る!「大ローマ帝国I・II」
―翌2週目はローマ帝国の辺境を取り上げるということですが、どういった映像が見られるのでしょうか?

飯塚:西の果てである、スペインの大西洋岸にある「ヘラクレスの塔」という灯台を紹介します。2世紀に建てられた塔に、灯台のライトの部分が後に増築されて、現在の高さは55mとなっています。この灯台、現在でも船が通る際の目標として機能しているのです。この灯台には、ここまでがローマの領土だという印と、もしかしたら「さらに先へ進出できれば」という思いがあったのかもしれません。
―さきほどの地下水道もそうですが、古代ローマ時代に作られたものが現役で使われているとはすごいですね。ほかにはどんなローマの遺跡が登場するのでしょうか?

飯塚:ヨーロッパから南側へ地中海を渡って、アフリカのチュニジアを取材しました。チュニジアの「エル・ジェム」という街にローマのコロッセオのような巨大な円形闘技場があります。この闘技場を空撮で撮影した映像は今回の見せ場の1つです。チュニジアはローマの穀倉地帯で、大量の小麦やオリーブを船でローマに送っていました。そこで得た富で、ローマに引けをとらないコロッセオを建てることができたのです。
―西、南と来ましたが、今回取り上げる北と東の辺境はどこになるのでしょうか?
飯塚:北の端として紹介するのは「ハドリアヌスの長城」で、イギリスの真ん中を分断したような国境線です。そのほかにユーラシア大陸ではライン川とドナウ川です。ライン地方で作られるワインは有名ですが、そのワインも古代ローマによって伝えられました。東の方に行くと中東の砂漠地帯、パルミラをご紹介します。
―そのほかに2週目の見どころは?

飯塚:スペインの「ラス・メドゥラス」の山崩しですね。ローマ帝国の支配下、水を使って金山を崩すことで砂金を取り出していたのですが、それを繰り返した結果、奇妙な岩山になってしまったという場所です。ここでも、ローマの高度な水道技術が登場します。
―最後に、視聴者の方へメッセージをお願いします。
飯塚:誰もが知っているローマ帝国について、まだわからないことや知られざる部分が多くあるということをお伝えしたいと考えています。歴史の勉強というよりも、何よりローマ帝国の魅力と面白さを映像で感じて楽しんでいただければと思います。
世界遺産の歩き方
かつてローマの保養都市だった「ヒエラポリスとパムッカレ」(トルコ)。
現在も温泉が湧いており、温泉プールの水底には遺跡が沈んでいる。ここに浸かれば、ローマの皇帝気分になれる!?