?xml version="1.0" encoding="iso-2022-jp"?> 特集『黄龍』│TBSテレビ:THE世界遺産

特集

黄龍

世良ディレクターインタビュー

Q:なぜそのような色彩になるのでしょうか?

黄龍

それぞれの池の深さと、池底の藻の有無などといった要素によります。池が浅いとエメラルドグリーンになり、深くなると青みが増し、底に藻が生えていると緑が加わる、といったように色が変化するのです。彩池のエメラルドグリーンは、自然界にこんな色が存在するのかと不思議に思うほど鮮やかですね。
今回の取材ではまず、この美しさ、不思議さをお伝えしたいと思いました。普通は観光客のために彩池の上に渡された板でできた遊歩道からしか撮影することができないのですが、今回の取材では特別に彩池の水中にカメラを入れて、枝に石灰が付着している様子をクローズアップで捉えることができました。黄龍のような水質の場所では、水の中で石灰がホコリなどの汚れを核にして固まり底に沈殿していくので、水の透明度が非常に高くなります。こうした水中の映像は貴重らしく、黄龍を管理している現地の公園管理事務所スタッフもこの撮影を見て感動していました。

Q:黄龍のような風景は、ほかでは見られないのでしょうか?

黄龍から100kmほど離れた世界遺産、九寨溝でも石灰による青い水の湖がありますがこれほど見事な棚状の地形は見られないようです。
同じく世界遺産であるトルコのパムッカレなどでも石灰棚は見られますが、黄龍のような水と組み合わさってこれほど美しい風景を生み出しているところはないようです。
条件としては、水が湧いていること、地質が石灰であることや、土地の傾斜が適度にゆるやかであることなどが挙げられます。