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ゲストコメント

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田中麻美
  高校生の頃から家に帰らなくなり、夜の街で生きている。
岸川睦美
臨床心理士として、大病院に勤める、麻美の双子の姉。

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第八話 原田夏希さんインタビュー

Q.「麻美」と「睦美」、二人の役作りと演じ分けはどうされましたか?

わたしは、物事はシンプルなほうがいいと思っているので、まっさらなところから二人を構築していきました。
常に交換し続けている人生を送っている二人なので、どっちとどっち、ということはあまり意識しないようにしました。声のトーンを変えるなどの方法論で区別するのはやめようと思っていたので、あえて作りこんでいません。
自然と「睦美だとこう、麻美だとこうなる」、という部分があると思うので、それぞれの気持ちに切り替えることで、うまく違いを出せればいいな、と思って役に入りました。

Q.麻美と睦美は、「シンプルではない生き方」をしていますね。

麻美と睦美が殺人に至るまで、どれくらいの恨みがあったのか、どこまで決断してそこまできたのか…
壮絶な人生を歩んでいる二人なので、自分が想像していた以上に、役に入るのが辛かったです。
初めて人を殺す役を演じましたが「殺したいほど人を憎む」という気持ちを考えたら、想像をやめたくなるくらい苦しくなりました。
でも、そのくらい強い意志があったんだ、という覚悟をもって台本を読みました。
そしてたどり着いたところは「生きよう」という気持ちです。

Q.安積ハンチョウの「あなたはもう裕太くんの先生ではない」という言葉を聞いてどう思いましたか?

「そうだな」って思いました。麻美と睦美がやったことは許されないし、許して欲しいとも思っていませんよね。刑務所に入ることなど厭わないと思っていても、裕太くんに「やめないで」って言われて、声を出せないままのあの子を一人残していくと思うと、ものすごく辛かった。後悔してないはずなのに、安積さんが裕太くんの言葉を引き出してくれたことで、後悔の気持ちと希望が持てたんじゃないでしょうか。

Q.この先、麻美と睦美はどんな人生を送ると思いますか?

きちんと罪をつぐなって、二人で一緒に暮らしてほしいですね。あの二人は、いつも入れ替わっていたから、どっちが麻美で睦美か、という感覚がなくなっていると思うんです。「自分の名前がない」というのは悲しいことです。どちらの人生も生きられるけれど、戻れる自分がない。この先は、それぞれの名前で、納得のいく人生を送って欲しいと心から思います。

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