インタビュー

上白石萌歌さん(宮本みゆき 役)

『義母と娘のブルース2020年謹賀新年スペシャル』の話を聞いて

素直に嬉しかったです。私自身、同じ作品、同じ組でもう一度集まることが初めてだったので、連続ドラマで一緒に駆け抜けた皆さんと再会できたのは、胸にくるものがありましたし、またそこから新しいものをつくり、さらに強い信頼関係ができたような気がするので、以前とは違う居心地の良さを感じています。
自分にとって、いいものばかり与えていただいたドラマでした。私の人生を変えたと言っても過言ではないくらいです。この作品を観て私を「みゆきちゃん」と呼んでいただいて、一気に自分が広がった作品でした。こうやってまた帰ってきて、改めてこの作品がたくさんの方に愛されているなと実感したとともに、本当に嬉しかったです。

ストーリーは?

今回は、宮本家にある事件がおきます。「ベーカリー麦田」の前にぽつんと一人赤ちゃんが置かれている…という状況から物語が始まります。
「この子は誰の子だ?」という騒動から、亜希子さんとすれ違いながら、わかり合えない壁を一生懸命に越えていこうとする姿に、台本を読んで私はぐっときました。親子のつながりの素晴らしさを教えてくれるお話になっています。

ご自身の経験で家族に驚かされたこと

「来年からメキシコに住むことになります」と報告を受けたときはとても驚きました(笑)。私は小学校1〜3年生まで、メキシコに住んでいたんですけど、まだ幼稚園生だったので「どこ?」って思っていましたが、一番の衝撃でした。でも、小さい頃はそういう環境に飛び込んでいける力があるじゃないですか。今報告を受けるよりも、動揺はしなかったんじゃないかなと思います。この経験は、お芝居する上でも、いろんなものを想像することに役立っていますし、地理の教科書でしか写真を見ることがないようなところを、小さい頃からこの目で見ていたので、想像力をそのときに養えたかなと思います。

久々にみゆきを演じて

語尾のほわっとした感じや、元気で明るく跳ねている感じを久々に演じて懐かしいなと思いました。キャストのみなさんとお芝居をして、その関係の中にみゆきの”役割”があるので、周りのキャストのみなさんのお芝居あってのみゆきが演じることができています。
(連続ドラマから)1年後のお話ですが、監督からは「すごく成長していなくていいから。一年前のみゆきちゃんのままで」と言われました。けれど、大学に進学して、一人暮らしも始め環境も変わったので、みゆき自身に大きな変化はないけれど、ちょっとの時の経過を大事にしながら演じています。

このドラマで苦労したこと

ハードなロケの日がありまして…。道路を挟んで向こう側の大樹くんにずっと叫んでいるシーンがありました。私のいる側から撮るときも、私は走りながら叫んでいたのですが、大樹くん側の撮影に移っても叫んでいて…トータル7時間くらい叫んでいました(笑)。大声でけっこうキワドイことを叫んでいたので、恥ずかしかったのですが、「やるしかない!」の一心でした。テストで抑えられたらよかったんですけど、(道路を挟んでいて)車が通っているので、声が届かなくって、最初から全力でやっていました。

今回のドラマには、赤ちゃんが登場しますが

赤ちゃんとの共演は大変ですが、一番の癒しでもあるので、この現場を一番動かしている人物は、赤ちゃんのような気がしています。スタッフのみなさんが、赤ちゃんを癒すために一生懸命に「いないいないばあ」をしていたりする姿が微笑ましかったです。本当に大変ですけど、一番癒される存在です。自分が抱っこしているときに泣いちゃったら、私も必死になるんですけど、やっぱり何しててもかわいい!
この作品を撮影している間、街で見かける赤ちゃんを抱っこしているお母さんを見る目が変わってきました。「自分も昔はこうだったのかなあ」と思うと、「母は偉大だな」と思いますし、自分がお母さんになったらどうしてあげられるのか…と考えてしまいますね。
もちろん、かわいいという感情だけではやっていけないですし、その先のことまで考えるのはすごく大変なことだと思うので、30歳前半で人として熟したくらいに、赤ちゃんを育てられたらいいなと思います(笑)。
ドラマに出てくれた赤ちゃんのお母さんの話を聞くと、抱っこしていたら腱鞘炎になってしまったらしく、「痛みを止めながら抱っこしているんです」と話を聞いて、改めて子育ては本当に大変だなと思いました。

抱っこしている姿がしっかりされていました

本当ですか!試行錯誤です!(インタビュー時撮影していた)このシーンは、ずっと泣かれてしまって、心が折れたんですけど…一緒にいる時間が増えて行く中で、腕の中で眠ってくれたりして、嬉しかったんです。だけど、一番関係ができてきた頃に撮影が終わってしまうんですよね…。なので、残りの撮影も大事にしたいなと思っています。

あやし方の対策

絶対に泣き止む歌がありまして…反町隆史さんの「POISON〜言いたい事も言えないこんな世の中は」という、ロックな音楽を赤ちゃんに聞かせると、なぜか必ず泣き止むんです。なので撮影現場では、ずっとその曲が流れています。この曲を流すと本当に99%くらいで泣き止んでくれるので、『ぎぼむす』の現場がすごくロックな感じになっていました(笑)。

みゆきと赤ちゃん

みゆきはきっと「自分も捨てられていてもおかしくない立場だった」と思ってるんですよ。こうやって違う人の元に行って、その人がお母さんになるということが当たり前ではないということが、みゆきもわかっているので、(ベーカリー麦田の前にいた)この子を大事にしてあげたいという気持ちが、人一番強いのではないかなと思います。

義母・亜希子を演じる綾瀬はるかさんと再びお会いして

大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」でご一緒していますが、お会いすることはありませんでした。けれど綾瀬さんは、私が泳いでるところをテレビ越しに応援してくださっていたそうで、それを綾瀬さんから聞いたとき「お母さんありがとう!」って、泣きそうになりました(笑)。嬉しいご縁だなと思います。
綾瀬さんは、疲れた顔を見せず、どんなときも現場を明るくしてくださる方。私もお母さんとして頼りがいがあります。本当に素敵な方です。
一方で、役の入り方がすごい。普段の綾瀬さんは柔らかい方で、ぽかぽかしていますが、亜希子さんはその真逆。その役に入られる瞬間を毎シーン間近で見られていることが、自分の財産になるなと思っています。
亜希子さんとしてリアクションしているものが、まったく嘘になっていなくて、ちゃんと亜希子さんとして生まれている感情を、私もみゆきとしてきちんと受け取れたらいいなと思います。

麦田を演じる佐藤健さん

「麦田さん好きだなあ〜」と改めて思いました(笑)。
人懐っこさもあり、何を考えているかわからないところも好きです。
佐藤さんも役への入り方がすごい。普段、お話をすることはありますが、どちらかというと寡黙な方なので、役への入り方がすごいなあと思います。
今回、お風呂上がりの麦田のタオルがズルって落ちるシーンが完璧で。タオルが落ちた後、私の目線がひゅって下にいくんですけど…どういう顔をしたらいいかわからなかった(照)。あのシーンは、麦田さんらしいシーンだなと思います。

大樹とみゆきの関係

大樹を演じている井之脇海さんとは、何回か共演させていただいていて、すごく信頼関係もできているので、たわいもない話もさせていただいている仲です。
監督とも「今回の2人はどんな関係なんだろう」と話していて、触れていいような触れちゃいけないような関係なのかな?と思ったら、受験生だからみゆきは大樹を応援して、支えている存在だと聞いたので、2人の関係は高校から変わらないまま延長して、ほっこりしている関係らしいです(笑)。私も台本を読みながらこの2人はいい関係だなと思っています。けれど、今回は『ぎぼむす』らしからぬドキドキシーンもちょっとあったりして、乞うご期待です!

視聴者の方にメッセージ

宮本みゆき役の上白石萌歌です。
あの『義母と娘のブルース』がお正月に帰ってきます!
みなさんに届いたらいいなと思っていた、親子との絆や、血のつながりをこえた大きな愛が描けていると思うので、ご家族みなさんで来年の1月2日よる9時からぜひお楽しみください!

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