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第1262回
南極海のラストフロンティア
スネアーズ諸島の秘密

2013年2月9日 夜9時〜

6万2千羽のペンギンが生息するスネアーズ島
研究チームと力を併せ成し遂げた5日間

今回の取材は、鳥類の研究調査に同行するというかたちで実現しました。そして最初は、船に宿泊する予定だったのです。でも海が予想以上に荒れていて、停泊は難しいということで、スネアーズ島にある研究施設に泊まることになったんです。蛇口から出てくる水は雨水。お風呂はなしで、石鹸も使えません。初めはそのたびエッ!?って思いましたが、人間って案外早く順応するんですね(笑)。けっこうすぐにそれが当たり前と思えるようになりました。迎えに来てくれた船の中で石鹸を見たときにはありがたいって思いましたもの(笑)。

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森に生息するスネアーズ・ペンギン
木登りもできる

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フワフワの羽毛をまとった赤ちゃんペンギン
夏期はペンギンの繁殖シーズン

島ではペンギンに癒されました。人を知らず恐れないので寄ってくるんですよ。その様子が可愛くていつも撮影の合間はペンギンウォッチングをしてました。私の所へ寄ってくるのですが、首をかしげてじっとこっちを見たり、お前先行けよとばかりに私に近いペンギンを後方のペンギンが押していたり。で、最終的にどんどん距離が狭くなると私の長靴を噛むんですね。そして「痛い!」と私が声を出すとサーッとみんな引いて行くんです(笑)。ホント可愛かったですね〜。
また島の自然でもうひとつ忘れられないのが、滞在最終日の夜中に寝床から抜け出して見た星空です。風の強さにはちょっと恐怖を感じるほどでしたが、私が初めて見た満天の星でした。実はその前の数日は、夜の激しい風の音とオンギャーオンギャーと大音量で鳴く鳥の声の凄まじさにこの島は夜魔界になるのか!?と思ったほどだったのですが(笑)。これが天の川?本当に川みたい!と感激した体験もできました。

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強風のため横に幹を延ばす木々
これもスネアーズ島ならではの光景

今回の取材は3年の交渉の末やっと実現したそうです。原則的に人は立ち入り禁止で、許可を得られる人もほんのわずかです。そんな所へ行く機会を頂いて自然を観察できたことはとても貴重でありがたいと思っていますが、それと同じくらい私にとって貴重な体験だったのは、鳥類研究チームと過ごした時間です。お互い別の任務があって、限られた時間でそれをやり遂げなければいけない緊張状態だったのですが、何かうまくいったときにはお互いに自分の成功のように喜び合える関係になっていました。この島にいる人間は私たちだけという状況だと、普段あまり共通点のない同志でも短期間で心が通じるようになるんですね。いろんな作業がたくさんあっていつも大変でしたが、いつも夜は笑い声が絶えなかったんです。研究チームの皆さんと過ごした時間も私の生涯の思い出になると思います。

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番組では希少な環境で生息してきた
スネアーズ・ペンギンの生態をご紹介!

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