インタビュー

野波麻帆さん:生嶋晶 役

野波麻帆さん:生嶋晶 役

❤ 原作、台本を読んで晶さんという女性をどう感じているか聞かせてください。

まず原作を読んでから台本を読ませていただいたんですけれど、原作の通りそれぞれがちゃんと愛されるキャラクターで、人間らしくてかわいくてそしてちょっとダメで、というところが面白そうな作品だな、と思いました。晶は本当に好きなキャラクターで、とても素直でまっすぐに生きている女性です。頑張って頑張っているからこそお酒が入ると泣き上戸になる、というウソのつけないところもかわいいですよね。35歳という年齢も自分と同じですし、きっと私も結婚していなかったらこんな感じなのかな、と感情移入しながら読ませていただきました。

❤ 演じるとき意識していることはありますか?

長い会話劇が主になっていますから、ポンポンリズムよくいくところと少し間を空けるところを区別しないとテンポが悪くなって伝わらないので、やりながら監督の指示をきくようにしています。
深田さんとはこれまで共演した回数も多くて、信頼しているのでとてもやりやすいです。最初に役同士としてぶつかると「あうん」の呼吸があうことは難しいのですがお互いに「こういう役柄でこうしてくるんだ」ということをちゃんと理解していくと間合いや「こう言ったらこんなふうに返ってくるだろうな」とわかるようになります。最初からストンと役に入れましたし、まったく心配することなく深田さんとのかけあいを楽しみながらやっています。

❤ 晶さんは気性の激しい女性ですけれど…

初登場のシーンがいきなりお皿を割るシーンでしたからね(笑)。でもああいう気持ち、とてもわかります!ずっと結婚したいと思っていたのにしてくれない相手が、相談もなしにいきなり喫茶店を始めたりしたらそれは怒りますよね。
でも黒沢さんのような生き方は、私はいいと思います。好きなことを見つけるのが難しい時代の中で、やりたいことをやりたいと思えて、それを実現させるという気持ち、力というのは本当に素敵だと思います。

❤ 晶さんは黒沢のどこに惹かれていたんだと思いますか?

やっぱり優しいですし、晶と黒沢って、似たタイプだと思うんです。晶は「姉御肌」というようなお姉さんキャラで、大人っぽくて皆に頼られる人ですけれど、本当はナイーブで涙もろい人です。黒沢さんも皆から慕われて兄貴的な感じで、頭もいいし仕事も出来る人だけれど本当はやっぱりナイーブで優しくて子どもっぽい部分もあって、意外と似た者同士で、そういうところが好きだったのかなと思います。

❤ ミチコとはどうして仲良くなったんだと思いますか?

最初は黒沢の状況を聞きたくて近づいたところもあったと思うんです。でも話してみたらすごく面白い子で、意気投合したし、だったら友達になってしまおう!となっていったんだと思います。
ミチコという存在はとても身近で、読んでいて共感できるということは、自分の中にもそういう部分があるし、周りにもそういう人がいるからです。「私って本当にダメだな、この先どうしよう」ともんもんとした時期と言うのは、私にもありましたし誰にでもあると思いますね。

❤ 晶さんは黒沢さんに未練が残っているようですが…

黒沢さんよりも好きな人が出来たら絶対に残らないです!それまではずっと残ると思います(笑)。ですから次の恋のステップに入ったときに「そんなものだな」と思うようになるのではないでしょうか。
晶は黒沢さんに好きな人がいることもわかっていて、それでも付き合っていたのですから「別れることになるのはいつだろう」という考えはずっとあったと思いますね。本当に一途で素直な女の子です。

❤ ご覧の皆さまにメッセージをお願いします。

愛すべきキャラクターがたくさん出ていて、きっと誰かに感情移入しながら笑ったり泣いたり出来ると思います。恋をするのは楽しかったり悲しかったりつらかったりすることもありますが、やっぱり恋っていいな、ときっと思えることがあります。ご覧になりながら「本当にダメだな」とほっこりしながらも、きっと自分のダメなところも見つかるはずですので、そういう自己発見をしながらダメなところは直していただいて今の恋、次の恋に進んでいただけたら、と思います。