バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #464 2015.3.21 O.A.

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空手で東京五輪を目指す 最強女子大生 植草歩
2015年2月。東京ミッドタウンで5年後の東京五輪での正式種目を目指す、空手のPRイベントが行われた。2013年の世界大会で金メダルを獲得した現役女子大生の植草歩(22)。植草の名が世界に轟いたのは、2013年のワールドゲームズ。ワールドゲームズとは、五輪に入っていない競技を集めた世界大会。IOCが後援し、第2のオリンピックとも呼ばれている。その大舞台で、初出場の植草が金メダルを獲得。21歳で世界一に輝いた。
空手は、「形」と「組手」の2つの種目がある。植草が出場する「組手」は、突きや蹴りなどの技を繰り出し、その難易度によって得点が与えられる。しかし、相手の顔を強打した場合は、忠告。4度の忠告で、失格となる。
植草は、現在、帝京大学に通う4年生。普段は笑顔が耐えない普通の女子学生だ。しかし、ひとたび道場に入ると表情は一変。男子に混ざり、闘志をむき出しにする。激しいコンタクトが多い「組手」は、常に危険と隣り合わせ。まともに顔に受けてしまうこともある。そんな激しい世界で、10年以上生きてきた植草は、大学で競技人生を終えるつもりだった。ところが、空手界が2020年の五輪正式種目を目指すと発表したことで、その運命は大きく変わった。
千葉県八街市に生まれた植草は、幼い頃から体格に恵まれ、身長は学年で1番。運動会では常にリレーの選手に選ばれるなど、運動神経は群を抜いていた。そんな彼女が空手と出会ったのは小学校3年生の時だった。5年生で全国大会に出場。すると、空手を始めてわずか2年で、驚き結果を残す。初めての全国大会で、いきなり3位入賞。その後も高校は、千葉県の強豪・柏日体高校に進学。植草は、全国大会で次々と優勝を飾った。空手雑誌でも、期待の高校生として取り上げられ、次第に注目を集める存在になった。空手の強豪・帝京大学にスカウトされ、スポーツ特待生として入学。大学1年から日本代表に選ばれ、大学選手権、世界学生選手権で優勝。ワールドゲームズでも金メダルを獲得するなど、輝かしい成績を収めた。そんな中、大学卒業後の進路を模索していると、2020年の五輪開催地が東京に決定。開催都市には、追加種目を提案できる権利がある。候補に、野球・ソフトボール、空手などが上がった。空手界で、日本のトップ選手である植草にとって、五輪種目になる可能性が出たことは、競技を続けたいという気持ちをさらに強くした。
帝京大学空手部の学生寮で生活してる植草。空手部の朝は早い。寮では、1年生から4年生まで、男女56人が共同生活を送っている。班に分かれ役割を分担。食事当番になると学生自ら栄養バランスを考えて献立を決め、全員分の食事を作る。この日の朝食は、ぶり大根と豚汁。56人分だとかなりの量になる。朝起きてから1時間半、ようやく食卓につく。朝食後、武道館での全体練習が始まる。基本動作を繰り返し、体に覚えこませる。次に行ったのは、筋力を鍛えるためのトレーニング。ゴムチューブで足に負荷をかける。この反復練習が、空手の基本となる。最後に打撃の練習。このメニューを毎日2時間以上欠かさず続ける。しかし、植草の練習はこれだけでは終わらない。他の練習とは別に、個別トレーニング。空手部での練習に加え、さらに体幹トレーニングを積む。身長168cm、体重66kgの植草。空手の重量級は体重無制限、世界では、自分よりはるかに大きな選手と対戦しなければならない。そのため、こういったトレーニングが必要不可欠だという。世界と戦うために、一切の妥協を許さない。
2015年1月23日。植草は、大学生、最後の試合を戦うため、フランスにいた。この大会には、世界各国のランキング上位の選手がエントリーしている。植草は、日本代表の重量級として出場。いよいよその時がやってきた。植草は、各国の強豪選手を次々と倒し、危なげなく決勝へとコマを進めた。そして迎えた決勝戦。相手は、現在、世界ランク1位の実力者、フランスのイブラヒム。試合後半、イブラヒムにやや押される展開の植草。同点のまま、お互い攻撃を仕掛けるも、決めきることができない。結果は、判定負け。植草の戦いは、準優勝で終わった。
1人の女性の運命を変えた、2020年東京五輪。空手に全てをかける植草歩にどんなバース・デイが訪れるのか?その人生を見守りたい。
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