バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #460 2015.2.21 O.A.

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心を整える日本のリーダー 日本代表キャプテン・長谷部誠に密着!
2015年2月3日、日本中に激震が走った。サッカー日本代表アギーレ監督、解任発表。就任からわずか半年。新チームを作ったばかりの異例の事態に、選手も戸惑いを隠せなかった。1月のアジアカップでは、屈辱の準々決勝敗退。そして、監督解任という日本サッカー界の激震に、この男は何を感じていたのか?日本代表キャプテン・長谷部誠(31)。長谷部は誰よりも悔しさと向き合っていた。キャプテンとしての忸怩たる思い。これまで語られることのなかった知られざる長谷部誠の真実に迫る。
アギーレ監督の解任が発表されたその日、長谷部は、ドイツで試合に臨んでいた。世界屈指のレベルの高さを誇る、ドイツ・ブンデスリーガで8年目のシーズンを迎えた長谷部。チームには欠かせない主力選手の1人だ。4か月後には、2018年のワールドカップ予選が始まる。そこに招集されるには、最高のパフォーマンスを続けなければならない。長谷部は、常に日本代表の1人として、世界と戦うことを想定しながら、ドイツでの日々の戦いを送っている。その意識は、途轍もなく高い。
長谷部が日本代表のキャプテンに初めてなったのは、2010年。以来5年に渡り、キャプテンを務め、歴代1位の記録を持つ。チーム状態が悪い時などに、選手だけのミーティングを率先して開き、心を通わせた。試合前の国歌斉唱で、選手全員が肩を組むのも、長谷部の提案だ。さらに、控え選手や、スタッフとの一体感を大切にしようと、チームにある決まりを作った。それは、ゴールを決めた選手は、真っ先にベンチに行く。勝利は、チーム全員で勝ち取るもの。それが長谷部の哲学だ。キャプテンとして、常に心がける事。「組織のために足りないものを補える選手であり、組織において不可欠な人間でいたい」「声を出す選手が少なかったら、自分が声を出す」「逆にみんなが熱くなっていたら、冷静になる」「引っ張るリーダーというより、組織の乱れを正していく」。キャプテンとしての自覚は、日常生活にまで及ぶ。食事、からだのケア、睡眠に至るまで、徹底した自己管理をいとわない。仲間から寄せられる信頼も絶大だ。ザッケローニ元日本代表監督も、自身の下で4年間、キャプテンを務めた長谷部を「本物のキャプテンだ」と評価した。非の打ちどころがないほど信頼されている長谷部。しかし、昔からそうだったわけではないという。
高校サッカーの名門、藤枝東から浦和レッズに入団した長谷部は、自らの技術に自信を持っていた。安定感のあるドリブルとコントロールの効いた、前線へのパス。プロ5年目には、日本代表にも選ばれた。しかし、レギュラーにはなれなかった。初めて感じた巨大な壁。そんな状況を打破しようと、長谷部は、日本を離れることを決意。その舞台に選んだのが、ドイツだった。
2008年、24歳で単身ドイツに渡った長谷部は、言葉や文化の違いに戸惑いを隠せずにいた。しかし、その中で確信する。頼れるのは自分しかいない。サッカー以外の時間をどう活用するのか?もがき苦しむ中で、いつしかある習慣が身についたという。1日の最後、寝る前の30分。練習や生活で生じたストレスを溜めないように、心を整理する時間を作った。そして、安定した精神がサッカーをも変えた。いつしか長谷部は、異国の地ドイツで、チームになくてなはならない存在になっていた。そして、日本代表レギュラーにも定着。岡田監督のもと、長谷部は2010年のワールドカップ直前にゲームキャプテンを任された。見事決勝トーナメント進出を果たし、ベスト16。キャプテンとして大きな実績を作った長谷部は、ザッケローニに監督が変わっても4年間1度も変わる事はなかった。しかし、2014年のワールドカップ・ブラジル大会では、悔しさしか残らなかった。予選リーグで1勝も出来ず、グループリーグ敗退。キャプテンとして最大の屈辱だった。日本代表のキャプテンとして国民の期待に応えられないかった事が、心底悔しかった。長谷部は何とか挽回しようと、新チーム・アギーレジャンパンのキャプテンとしてアジアカップ連覇に挑んだ。しかし、準々決勝敗退。そして、その10日後、アギーレ監督、解任。この負の連鎖について長谷部は前向きに捉えなければならないと感じていた。
アギーレの解任から3日後、長谷部は気持ちを切り替え、練習に取り組んでいた。ドイツに来て、8年目のシーズンになる。現在、フランクフルト市内で1人暮らしをしている長谷部。気になるのは、ヨーロッパで活躍する日本代表のチームメイトの事。からだのケアも怠らない。30歳を過ぎて、その大切さがわかってきた。毎日の食生活も自分で管理する。言葉も文化も違う国で新たな自分を作り上げている長谷部。その進化は、世界の一流プレーヤーにもまれる中で、今も止まらず続いている。
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