バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #745 2020.12.19 O.A.

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13歳の天才少年!五輪種目で世界一…8人大家族の奮闘と母の信念
岐阜県本巣市、田園風景が広がるこの地に、いまSNSを更新するたびに国内外から絶賛を浴びる家族がいる。小澤一家、2男4女の8人家族だ。父・健司さん、母・康子さん。中学1年生の長男、楓くんと末っ子の妹は11歳離れている。一見、田舎に暮らす大家族の光景だが、子供たちはもう一6の顔を持っている、それは、6人兄弟の中で1歳の妹以外5人が、BMXフリースタイル・パークという競技に熱中している。この競技は、東京五輪から自転車競技の新種目に採用。自転車を操る技術や技の完成度、難易度によって争われる採点競技だ。海外のトップ選手は、ほとんどが10代後半から20代が中心となり、若者から圧倒的な人気を誇る。日本人では中村輪夢(18)が、東京五輪日本代表として世界の舞台で活躍。BMXに魅せられた小澤一家。そのカギとなったのが、13歳の長男・楓くんだった。2019年、小学6年生で出場したW杯では、各国から集う精鋭28名の中で、ジュニア世界一に輝いた。彼の一番の強みは、わずか13歳にして大人顔負けの大技を連発し、「技のデパート」と称されるほどのテクニック。楓くんがBMXを始めたのは6歳の時、父が趣味で乗っていたことをきっかけに、その楽しさに心を奪われ、毎日、日が暮れるまで乗り続けた。9歳になると、大技バックフリップに成功。東京五輪日本代表の中村輪夢が成功させたのは11歳のとき、楓くんは2年も早くこの大技を習得。この姿に心を動かされたのが、母だった。そして、母の決意で一家は大きな決断をする。自宅の横に施設顔負けの練習場を建設。家族はBMXで知り合った仲間に協力を求め、1からコースを作り上げていった。完成までにおよそ3年の歳月をかけ、費用は総額で200万円以上。また、練習には、母がつきっきりで付き合う。6人の育児に追われる中で、熱心なサポートをした。2週間後に全日本選手権が控える中、楓くんに起きた思わぬアクシデント。着地に失敗し顔面を強打。母が救急車を呼び、楓くんは病院へと搬送された。傷は深く、鼻の下を8針縫う大怪我だった。母「『ごめん』って楓に縫った直後に言ったら『なんで?お母さん全然関係ない。』みたいなことを言ってくれたのが、ほっとしたじゃないですけど、また応援していけばいいんだなっていう。」怪我は、自分の責任。母が息子の成長を強く実感した瞬間だった。大会まで一週間となったこの日、楓くんは傷が癒えていない状態の中、練習を再開。今までは12歳以下の小学生のカテゴリーで戦っていたが、2020年からは中学生。年上との戦いで結果を残すため、大会に向けて、“360°to テールウィップ to バースピン”の大技に挑戦すると決めた。今から3年前の全日本選手権で、当時15歳の中村輪夢が日本人として初めて成功させた大技。この技を中村より2年も早く成功させたいという。だが、失敗の連続。傷は完治していないが、大会まで一週間、気持ちが焦る。結局、技を成功できないまま、この日の練習を終えた。そして、迎えた、全日本選手権。決戦を前に家族が団結する。母「好きに頑張ってきて欲しいです。楽しく乗ってきてくれれば。」父「攻める楓でいい。」一本目、安定した走りで75ポイントを獲得。暫定2位につけた。1位は前年覇者の溝垣丈司。圧巻の走りで81ポイントを獲得し、6ポイントの大差を付けられてしまう。楓くんの逆転の可能性はただ1つ。それは練習で成功させることができなかった、あの大技を決めること。そして、二本目。大技に挑むも、手元のバーが回っておらず技は不完全。ポイントを上乗せすることは出来なかった。優勝こそ逃したが、見事準優勝。楓「もう少し練習して、高さとか技も高さ上げて行きたいです。」母「優勝には届かなかったですけど、成長を感じて良かった。これからに向けて頑張ってもらいたいです。」小澤楓13歳、両親の支えを力に目指すは世界の頂点。彼の名が世界中に轟く日を待ち望んでいる。
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