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BACK NUMBER #687 2019.9.28 O.A.

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元大関・魁皇の部屋で誕生した初関取・魁勝の戦い
大相撲、新勢力の台頭が話題を集めた2019年9月場所、関脇・御嶽海が幕内優勝を飾り終わった。そんな中、相撲部屋を開いてから5年で初の関取誕生がした、元大関の魁皇が親方を務める浅香山部屋が注目を集めている。
新しく関取になったのは魁勝旦祈、24歳の若武者だ。そんな彼を指導するのは元・大関の魁皇(47)。そして部屋を支えるおかみは4歳年上の充子さん。僅か4人の弟子から始まり、現在11人の力士がいる浅香山部屋。十両に昇進した魁勝の生活は、これまでと大きく変わった。蹴古場では関取の証である白いまわし、収入も月100万円を超える。さらに、部屋を開設したときから用意していた、関取専用の個室に、初めて魁勝が入った。雑用も2人の付け人がやってくれる。愛知県で生まれ、高校まで柔道に明け暮れていた魁勝は、部屋を立ち上げるために有望な弟子を探していた親方にスカウトされた。だが、相撲の世界は、甘くなかった。そんな魁勝に、親方は基礎から一つ一つ教え込んだ。生活面では、洗濯から掃除にいたるまで、おかみさんがつきっきりで面倒をみた。そんな期待に応え、初相撲から13場所で幕下まで番付を上げたが…魁勝は、そこから思うように勝てなくなり苦しんだ。相撲取りを辞めよと考えたこともあったという。何度もそう思い詰めては、おかみさんに救われた。親方とおかみさん、2人に支えられ稽古に励んできた魁勝。9月場所を1週間前に控えた吉日、昇進パーティーが開かれ、250人を越える人が祝福に駆けつけた。初めて結った大銀杏に黒紋付・袴という姿。魁勝はその責任感で、身が引き締まる思いだった。魁勝の晴れ姿におかみさんも誇らしげだった。部屋を開いて5年、ここまでの苦労と、晴れがましい想いが交錯していた。多くの人々の期待を背負って本場所を迎える。15日間、毎日相撲を取ることは初めての経験、塩をまくことも初めて。タイミングを計りかねて思わず相手の様子を伺う。結果は、一方的な相撲で黒星スタート。親方は、そんな負け方の原因、精神面の問題を指摘していた。初白星を目指して迎えた4日目、おかみさんも藁にもすがる思い。この日どうしても負けられない理由があった。親方が審判として土俵下に入る日だったのだ。無様な相撲は取れない。4日目にしてようやく勝ち名乗り。部屋に帰った魁勝はおかみさんに勝利の報告をした。親方は「力を出し切れば結果はついてくる。一番勝てば流れは変わるから」と告げた。1場所で幕下に陥落するわけにはいかないと、その後も勝ち星を積み重ねる魁勝。迎えた12日目、力強い相撲で見事に勝ち越しを決めた。この日ばかりは、普段は厳しい親方も労いの言葉をかけた「よくやった。物おじせず立ち合いから攻めたじゃないか。これで落ちなくてすんだな」
大きな重圧の中、浅香山部屋の初の関取として見事に勝ち越しを決めた魁勝旦祈24歳。これからも、部屋一丸でさらなる高みを目指して戦う姿を見届けたい。
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