バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #657 2019.2.23 O.A.

バックナンバー
未来のスター選手育成を託された男 西武・松井稼頭央の挑戦に密着
1993年のドラフトで3位指名を受け、西武ライオンズに入団した松井稼頭央(43)。
数々の実績を積み上げた彼は、2004年には日本人内野手として初となるメジャーリーグ移籍を果たし活躍。その後、戦いの場を日本に戻した松井は去年現役引退を発表した。
そして2019年シーズン、輝かしい現役選手という表舞台から、未来のスター選手育成という重責を背負う道を選んだ。指導経験を積むことなく2軍監督就任。松井稼頭央の新たな挑戦の舞台裏に密着した。
2軍監督といえども、コーチを経験してからや、一度チームから離れ、外から野球を見て分析したりしてから就任することが多い。松井自身も、引退してすぐの自分に務まるのか悩んだという。そんな彼を決断させたのは、2018年シーズンの日本シリーズ出場を逃した時の辻監督の涙だったという。
2軍監督となり部下であるコーチ、指導する選手に、自分の考えを「伝える言葉」が重要になると考えた松井は、キャンプの宿舎の部屋に多くの本を持ち込んでいた。この日、読み進めていたのは将棋の羽生善治のノンフィクション。そんな松井には球団から大きなミッションが課せられていた。西武の主力は30歳を超えるベテラン選手が多い。このままではすぐに厳しい状況に追い込まれる。“2軍監督”プロ野球の世界でその役割は、次世代を担う新たなスター候補の発掘と育成だ。松井はある決意を持ってキャンプに臨んだ。それは、過去のデータに固執せずに、先入観を持たずにまっさらな状態で選手を育てるという思いだった。西武で歴代屈指のスター選手だった彼自身も、プロ入団1年目は、エラーを連発するなどさんざんな成績だったからだ。キャンプインして直ぐに松井新監督の目に留まったのは、入団4年目の川越誠司だった。大学時代は二刀流として活躍したが、プロでは結果を出せずに外野手に転向したばかりの選手。力強いバティングだが、プロでの守備経験がない。そんな川越に松井は自らグローブを手にし、お手本を見せる。そしてもう一人、松井が目を止めた選手がいた。台湾出身のウー・ネイティン(25)4年目の内野手だ。彼にも自ら、スイング軌道を矯正するために、納得するまでとことん指導する。マンツーマンの熱血指導はこのあと1時間以上にも及んだ。そんな様子を見ている指導経験のあるコーチたちも技術向上以上に大きな影響があると感じていた。キャンプも後半に入り、迎えた阪神2軍との練習試合で、あの川越を4番に抜擢する。しかし、2打席連続三振と結果がでない。通常、多くの選手を試すために練習試合では途中交代させることが多い。だが松井は信念を貫き川越を起用し続けた。その後、川越は連続安打を放ち、監督の期待に応えた。
スター選手をすぐに育てるのは簡単なことではない。西武ライオンズを常勝軍団にするという野望を実現する戦いはまだ始まったばかりだ。新たな野球人生で2軍監督という道を選んだ“松井稼頭央の挑戦”を注目し続けたい。
[BACKNUMBER]
banner_AD
Loading…

SNS

TBSトップページサイトマップ Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.