バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #513 2016.3.12 O.A.

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妻子に活躍を誓うプロボートレーサー・後藤翔之
年収、約3000万円。同じ年の妻は、芸能界で活躍するタレントの秋山莉奈さん。2015年6月、結婚したばかりの新婚夫婦は、待望の赤ちゃんを授かった。デビューから9年。ボートレース界の最高峰、SGに悲願の出場を果たした後藤は今、トップレーサーへのスタートラインに立っている。しかし、ここまでの道のりは、平坦なものではなかった。デビュー間もない23歳のとき父が他界。4人兄弟の長男として、妹たちの学費の面倒を見るなど、経済的にも精神的にも、兄弟の支えとなってきた。しかし、そこに更なる苦難が立ちはだかる。自ら犯したミスで、どん底に転落。半年間レースに出られず、賞金がゼロになった。家族への思いを胸に走り続ける後藤の戦いの日々を追った。
9年前にプロデビューした後藤。彼はスーパールーキーと呼ばれた。新人選手が1着をとることが極めて難しいボートレースの世界で、なんとデビューわずか11か月で初優勝を飾る。ボートレース界の超新星として、スポーツ紙に大々的に特集を組まれるなど、一躍脚光を浴びた。その後も成績を上げ、デビュー4年目には、なんと25歳にして年間2500万円を稼ぎ出す選手に。後藤は、スターへの階段を順調に駆け上がっていた。しかし、彼のレーサー人生は突如どん底に落ちた。原因はフライング。フライングを犯した選手の売上金は全て払い戻し。レース場は莫大な損失をこうむる。そのためペナルティは重く、選手には長期の出場停止が課せられる。後藤は、このフライングを2012年に3度も犯してしまい、トータル180日レースに出場することが出来なくなってしまったのだ。ボートレーサーの収入は、レースでの賞金のみ。つまり半年間、収入はゼロ。プロデビューして5年、蓄えもあったが、アルバイトをすると決意した。それは生活のためではない。後藤を奮い立たせていたのは家族の存在だった。デビュー2年目の23歳のとき、父を亡くした後藤は、そのときから2歳年下の弟、4歳年下の双子の妹を経済的にも精神的にも支えてきた。弟たちにとって、ボートレース界で活躍を続けた兄は、いつしか憧れの存在となり、弟と妹の1人が、兄の背中を追ってボートレースの門を叩いた。そして2人は今、兄と同じプロのレーサーとして活躍している。後藤は2人がボートレーサーになるための養成所の費用、約300万円を負担。さらに、自宅の脇に2人が強くなれるように、レーサーの作業場となる建物を建てた。ボートレーサーにとって、成績を大きく左右するものの1つ、プロペラを研究するための場所だ。自分を目指す彼らに、腐った姿など絶対に見せられない。180日間、出場停止という屈辱から半年後、後藤は満を持してレースに復帰。以前にも増して成績を伸ばしていった。そして2015年、後藤は自己最高の成績をマーク。獲得賞金およそ3600万円。ボートレーサー1600人中59位に付け、トップを狙う域に到達した。
2015年、同じ年の莉奈さんと結婚した後藤。莉奈さんのお腹には新たな家族がすくすくと育っていた。新たな命の鼓動を感じるたびに、夫として父として、さらなる飛躍を誓う。我が子が生まれる今年、後藤は人生最大のレースに挑むことになった。それは、ボートレース界、最高峰のレースSG。年間8回行われ、全てのボートレーサーがその制覇を夢見る。賞金額も破格のビックタイトルだ。後藤が出場するのは3月のボートレースクラシック。1年で最初のSG開幕戦。そこでの成績が、その年の戦いを大きく左右する、極めて重要な戦いに後藤が己の全てをぶつける。以前は、食事制限だけで体重を管理していたが、今は筋力を保つことを心掛けている。ボートレースは、体重が軽い方が、スピードが出て有利と言われるが、その一方で、猛スピードで鋭くターンさせるには、強い筋力が必要となる。そして、レースの無い休日。後藤は、ある新しい試みに取り組んでいた。SGで何度も優勝している選手の操縦を撮影した映像。GPS機能を使い、ボートレース界に去年初めて導入された最先端の映像資料だ。自分とはいったい何が違うのか。何度も見返し、トップレーサーの技術を頭に叩き込んだ。
SGボートレースクラシックまであと1か月。その前哨戦として後藤は関東選手権に挑んだ。SG優勝経験者が顔を揃えるこの大会は、実力を試す絶好の舞台。優勝とはならなかったが、後藤にとってはSGボートレースクラシックに向け、弾みをつける大会となった。そして2月19日。待望の第一子が無事誕生。元気な男の子は、ひかると名付けられた。
後藤翔之(30)。兄弟を支え、そして今、新たな家族に飛躍を誓う戦いに勝利の女神は微笑むのか。決戦の舞台は3月16日から始まる。
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