バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #438 2014.8.30 O.A.

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ボートに青春を捧げるエリート大学生 日本一を懸けた熱き戦い!
素人集団からわずか3年でボート日本一へ。そんな無謀ともいうべき夢に本気で挑む者たちがいる。偏差値70以上、日本屈指のエリート校、一橋大学ボート部。
不可能を可能にする驚きの練習を積み重ね、最強のライバルに挑む。日本一を懸けた激闘。ボートに青春を捧げるエリート大学生の熱き日々を追った。
一橋大学ボート部は、創部129年の歴史を持つ運動部。現在、部員は男女合わせ、ゆうに100人を超す。受験戦争をくぐり抜け、その上厳しい体育会をあえて選んだ部員たち。入部した理由を聞くとある共通のキーワードが浮かび上がった。「日本一」。実は一橋は、大学ボート界屈指の強豪校。日大、早稲田、中央などの私立大学が上位を独占する中、一橋は、国立としては唯一、ベスト4の常連。常に優勝も夢ではない位置にいる。事実、去年のインカレは準優勝。頂点まで、あと一歩に迫った。ボートはもちろん、運動経験も豊富とはいえない新人部員がわずか3年で大学トップレベルの選手に変貌する。一橋ボート部を日本一を狙える強豪校にした1人の男がいる。ヘッドコーチ、野村雅彦51歳。
「ボートは“いつ始めたか”ではなく、“どれだけ漕いだのか”が何よりもモノをいう」
そう信じる野村は、1日6時間以上もの水上トレーニングを課す。50km以上もの距離をほぼ毎日選手たちに漕がせる野村コーチ。これほどの練習量は、一橋だけだと豪語する。
彼らが狙うのは、今年8月のインカレでの初優勝。夢の日本一。その前に立ちはだかる最強のライバルがいる。現在、インカレ8連覇中の日本大学だ。去年は決勝でその絶対王者にわずか3秒差で敗れた。一橋にとっては、史上初の準優勝という誇るべき表彰台だったが、悔し涙が溢れていた。
そして、リベンジの夏。今年の一橋は、過去最強のメンバー。日本代表に選ばれた3人の選手を中心に野村コーチの下で培った圧倒的なスタミナを誇る顔ぶれが揃った。その中に誰よりも強い思いを持つ男がいる。キャプテン、保田洋祐。保田は、都内有数の進学校、私立武蔵高校でサッカー部に所属。一年の浪人を経て一橋に入学。初めてボート部の存在を知った。するとサッカーで鍛えた脚力を武器に2年生からチームの中心選手として活躍。そして4年生になった今年、キャプテンを任され、大学日本一を目指すチームをけん引していた。その一方で保田は、将来国家公務員になりたいという夢の為、忙しい練習の合間を縫って勉強を続けていた。しかし、今年4月、彼に不運が襲いかかる。今年の国家公務員の採用試験とシーズン最初のレースの日が重なってしまったのだ。キャプテンである自分が今年のチームを左右する大事な試合を欠場などしていいのか…。保田は悩みぬいたあげく、なんと今年中の就職を諦め、レースに出場にすることにした。自分で選んだ道に後悔はしたくない。学生最後の日本一のチャンスを絶対ものにする。そんな思いで保田はチームを引っ張っていた。
そして迎えた全日本大学選手権。全長2000mのコースで、ボートの先端がゴールラインを通過するまでのタイムを競う。予選、準決勝、決勝とレースが行われ大学日本一が決まる。抽選の結果、一橋は予選でいきなり8連覇の王者・日大と激突。どこよりも厳しい練習をこなしてきた一橋。積み上げてきたことをぶつけるしかない。
そして、レースが始まった。順調なスタートを切った一橋。500m地点、日大がわずかにリード。自転車で並走する野村から檄を飛ばす。残り100m、一橋が一気にラストスパートをかける。そして、スタミナを活かした一橋が、後半勝負でライバル日大に逆転勝ち。見事予選突破を決めた。しかし、そこに歓喜はない。これはまだ序章に過ぎない。
一橋は、続く準決勝も突破し、決勝へ進出。一方ライバル日大は敗者復活を勝ち上がり、決勝に駒を進めた。決勝は、一橋、日大、慶應、早稲田の強豪4チームの顔合わせとなった。日本一を決める決勝戦のスタートライン。一橋のすぐ隣には、王者・日大。ついにレーススタート。スタートで日大が頭1つ抜け出した。その距離がどんどん開いていく。500mを地点。一橋はトップ日大にくりつき、2位で通過。そしてレース終盤、残り500m。ここで一橋が勝負をかける。残り100m、最後の力を振り絞り、ラストスパート。しかし、勝ったのは日大。一橋はまたしても日本一に手が届かなかった。就職浪人を決意し、この一戦にかけた、キャプテン保田は込み上げる涙を抑えきれなかった。しかし、最後まで堂々と戦い抜いた彼らに観客から惜しみない拍手が送られた。
一橋の悲願は後輩たちへと引き継がれた。しかし、たゆまぬ努力で不可能に挑戦し続ける彼らに勝利の女神はいつか微笑むに違いない。
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