インタビュー

波瑠さん×東出昌大さん 2ショット対談

Q.オファーを受けて

波瑠さん : いくえみ綾さんの漫画がすごく好きなので光栄に思いました。
不倫がテーマになっている作品なので、どうやって演じようと困惑しました。経験として自分にないですし、演じる主人公の美都の行動にも賛成できない部分が多く、「間違っているな」という思いが頭にあって、どうやって撮影しようと…。でも、役に挑んでいく中で、どんなものが見えてくるのかなという興味にも変わっていきました。現在も漫画は連載中ですし、台本もまだ先がないので、ゴールが分からないまま飛び込む感覚ですが、お手柔らかにお願いいたします(笑)。

東出昌大さん : 僕は原作を存じ上げなかったのですが、(原作を)読んでから「この役か」と思い、自分にとっては挑戦だなと思いました。
他のキャラクターを演じられる皆さんのキャスティングを知って、演じられるご本人とキャラクターのイメージがまったく違ったので、お芝居をするのがすごく楽しみだし、スタッフの皆さんも、過去の数々の作品で「そう来たか!」という仕掛けを色々とやってこられている方々なので、今は大船に乗った気持ちです。

Q.お互いの印象

波瑠さん : 今日(ポスター撮影時)初めてお会いしました。なので、まだちゃんとお話もできていないので不思議な感覚です。急に(役柄で)結婚することになったので…早めに頑張って仲良くなりましょう! 

東出昌大さん : 波瑠さんの印象は…初対面なのでお姿をジロジロ見るわけにはいかないんですけど(笑)、とにかく瞳が大きい人だなあ…っていう小学生みたいな感想ですけど、そういう印象を受けました(笑)。女優さんとしては、朝ドラの「あさが来た」を観ていましたし、芯が強く凛としていて、大和撫子というのはこういう方なのかなと思っていました。その存在感が希有で素敵だからこそ今回の役がまだ未知数で楽しみです。

Q.美都の行動に納得いかない部分は?

波瑠さん : 納得するしないというよりも、正しくないな、という感覚です。
結婚というものに対して皆さん覚悟して臨むと思うので、それを一段階越えた上でこういう行動を取ってしまうということは、愚かだと思うんです。けれど、すべてが正しいことと間違っていることで区別することは出来ないと思います…だからといって美都は「本当はいけないのにな」と思い直す女性でもないんです。「だってしょうがないじゃない!好きなんだもの」というその感覚が…私の中にはないです。美都は、自責のようなものがほとんどないまま、進んでいくので、そういう部分は自分自身とは違うなと思います。

東出昌大さん : 原作では涼太がなんでこういう性格になったのか、というのが描かれているんですけど、やはり忍耐というか、狂おしいほどに美都が好きというのは嘘じゃない。だけどそこで自己犠牲に走ってでも好き、と思う涼太の想いは「それって本当に好きじゃないんじゃないの」と思う部分でもあります。「彼女が苦しんでいるんだから別れてあげれば?」と言われても「いやそうじゃないよ」と応えるから、やはりぶっ飛んでいるなって思うんですけど(笑)、ただぶっ飛んだ男というだけで済ませると面白くないですよね。何で彼が耐えられるのかというところを掘り下げて役を作っていきたいなと思っています。

Q.二番目に好きな人と結婚する美都の気持ちとか、好きだから浮気していても我慢しちゃうという2人…

東出昌大さん : 傍から見たらきっと幸せそうな夫婦に見えるんだろうなと思います。「いい旦那さん持ったね」って思われるんじゃないかな。多分現代において“いい旦那さん”と言われる諸条件を涼太は全部クリアしていると思うんです。でも、それが多分美都にとっては、涼太がつまらないと思う所以かもしれないですけど。
テレビドラマとして皆さんにこの状況を観ていただくときは、もうグッチャグチャな状態ですから(笑)、楽しみにしていただければと思います。

波瑠さん : そういうご夫婦の方が多いのではないでしょうか。妥協する…じゃないですけど。「結婚するならこの人」とかよく言うじゃないですか。だから「もうそれで十分幸せじゃないか!」と思います。いつまでもときめいてなんていられないのではないかなあ、旦那さんに(笑)。それよりも「おかえり」って言って迎えてくれて、体調悪いときには面倒を見てくれて、助けてくれる方がいいじゃないですか!きっと、そういうことに折り合いをつけて結婚されている方が多いのではないでしょうか。だから一見、何の問題もない夫婦に映りますよね。

Q.賛同できないところがある役ですが、ここは見習ってもいいかなという部分は?

波瑠さん : 私は美都がうらやましいです。悩まずに突っ走れてしまう素直さと強さがすごくうらやましい。ボロボロに傷つく覚悟もできて、突っ走れる。もちろん周りの人は困るんでしょうけど、彼女の原動力みたいなものはうらやましいなと思います。

東出昌大さん : 涼太でいいなって思うところ…難しいですね(笑)。ある意味幸せを追い求めている気持ちは純粋な気持ちからですし、だけどその分鈍感でもあると思うんです。鈍感なことは、悩みを少なくさせるから、日常が楽しくなるような気もしますけど、僕はそうはありたくないと思いながら日常を送っています。「悩みもあるのが多分幸せだし」って。なので、僕にとって涼太はちょっと怖い存在ですね。

Q.共演されるに当たって、お互いに楽しみなところは?

波瑠さん : 原作の涼太は、熊というか、写真を見せられたら一般的に「あ、優しそうな人だね」って言われるタイプの方だと思うんです。今回、ドラマではこんなにかっこいい方が演じるので…それがどんな風に映るのかなという楽しみがあります。

東出昌大さん : 凛としている波瑠さんが、有島の前でみせる顔と涼太の前でみせる顔では大きく二面性が出るのか、もしかしたら出ないのか、未知数なので、それは一視聴者としても、ものすごく楽しみにしています。共演者としては、いいお芝居が2人でできればなと…楽しみです!

Q.視聴者に本作の魅力を

波瑠さん : 二組の夫婦がいて、キャラクターが様々で、誰も完璧ではないというところに、観てくださる方自身が自分を重ねられたら、さらに楽しめる作品だと思います。
でも、やっぱり不倫はドラマの中だけでお楽しみください(笑)。

東出昌大さん : ドラマをやるときは、宣伝でバラエティ番組にお邪魔することも多々あるんですけど、ドラマと実際のキャラクターが4人ともかけ離れているので、多分観てくださった方は混乱するのではないかな…と今から思っているんですが(笑)。
観てはいけない4人の話になると思うので、この火曜10時の時間が、何か怖いものを覗きに来るような、ドキドキした時間になればと思います。

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