インタビュー 第八回 野村宏伸さん(照雲 役)
——台本を読んでの感想。
シンプルにある親と子がいて、そこに友だちや周りの大人たちが関わってくるお話ですが、読んでいくうちにどんどん引き込まれて自然と泣けてくる…そんなお話です。
思っていた以上に引き込まれ、次回どうなるのかと楽しみながら読ませていただきました。
——演じる照雲について。
僕が演じる照雲はヤスの幼なじみで、ヤスとはまったく正反対で弱々しいキャラクター…と、最初は思っていたのですが、演じていくうちに照雲のかっこよさがわかってきました。
普段はただ微笑んでいるだけの男ですが、意外と芯が強くキメるときはビシっとキメる…深みがあり演じていてとても面白いです。
柄本明さん演じる父である海雲さんとの親子関係も面白いですし、照雲の奥さんである幸恵ちゃん…幸恵ちゃんのような奥さんは本当に素敵です。
照雲がいて幸恵ちゃんがいる…その2人の夫婦関係がすごく好きですね。
——演じる上で工夫した点。
いかに自然体でいるかということに気をつけているので、撮影に入る前に力を抜くようにストレッチをしています。セリフの言い回しもナチュラルに柔らかくするように心がけています。
また、最初に「とんび」のお話をいただいたときにお坊さんを演じると聞いていましたが、自分自身髪の毛を剃ることには全く抵抗はありませんでした。ここまで髪の毛を短くしたのは初めてなので、時期が時期ということもあり、寒いな…と感じることは多かったですね(笑)。
髪の毛を短くして、「頭はやはり大事なんだな。」と思いました(笑)。
——父・海雲を演じる柄本明さんと共演して。
お芝居をご一緒させていただくのははじめてでした。柄本さんはとてもナチュラルな方で、すんなりと親子になれた気がします。親子とはいえ、実はあまり一緒にお芝居するシーンがなかったのですが、とても楽しかったです。
——幼なじみ・ヤスを演じる内野聖陽さんと共演して。
内野さんのお芝居への向き合い方が僕は好きです。
ひとつのものをつくっていく一生懸命さがある方なので、現場で一緒にいて楽しいですね。役に対する熱意がヤスというキャラクターにも映っていると思います。
ヤスと照雲はキャラクターが真逆なので、その違いが画面でどう映るのか毎回楽しみに演じています。
ヤスは親がいなかったので小さいころから海雲がオヤジ代わりで、2人兄弟のように育ち、2人そろって海雲にゲンコで怒られてきました。昭和はオヤジからも近所の大人からも叱られたりする…そういう時代でしたよね。自分自身も懐かしく思いながら演じました。
親でなくても周りの大人が注意する、そういった人情味溢れる懐かしい昭和の良さがこの「とんび」ではたくさん表されています。
——「とんび」今後の見どころを教えてください。
これからヤスもアキラも成長していくにつれ様々な問題がでてきて、その問題をヤスをはじめ周りの大人たちがどうサポートしていくのか、「とんび」はアキラの成長物語でもあり、成長していくにつれもっと話がおもしろくなっていくので、見逃さないようにして欲しいなと思います。
僕が演じる照雲はというと、幼いころからずっとヤスのうしろでニコニコしながら見守っているのですが、歳を重ねてもヤスと一緒にいて、どういった中年の友達関係でいるのか、アキラだけでなく2人の成長も見どころの1つなので、最後まで見守っていただけたら嬉しいです。