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あなたの知らない 宝田式 ワールドカップの法則

2018年ワールドカップ グループF ドイツ×スウェーデン編2018.06.06 更新
王者ドイツに影を落とす「2戦目のジンクス」
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名古屋グランパスでもプレーした元イングランド代表ガリー・リネカーの有名な言葉「フットボールは単純なスポーツ。
最後にドイツが勝つ」を引用するまでもなく、2018年ワールドカップ(以下、W杯)の優勝候補筆頭は文句なく前回王者ドイツだ。

多くのサッカーファンもドイツがよもやグループリーグ(以下、GL)で躓くことはないと考えているだろうが、そこはW杯。
ドイツに影を落とす不気味な法則、プロ野球界の「2年目のジンクス」ならぬ「2戦目のジンクス」が存在する。

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過去20年に行われた10度の主要国際大会(W杯、欧州選手権※以下、EURO)において、ドイツは必ずと言っていいほどGL第二戦で大苦戦を強いられている。
GL第2戦の戦績は10戦2勝5分3敗の勝率2割。EURO2004の第二戦に至っては、国際大会初出場の弱小ラトビアにさえ引き分ける始末だ。

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W杯に限っても、自国開催の2006年を除く過去5大会で第2戦目の戦績は5分1敗と未勝利。
これがいかに偏った成績かと言うと、ドイツは主要国際大会の初戦は過去30戦20勝9分1敗。
W杯に限れば初戦は7連勝中で、グループリーグ第3戦は6連勝中となっている。どういうわけか「2戦目」に限り調子を落とすのだ。

そして、相手は「ジャイアント・キリング」に定評のある伏兵スウェーデン。
W杯予選が始まる頃は厳しいグループに組み込まれて前評判が低かった同国だが、今予選ではフランスとイタリアに勝利し、オランダを蹴落とすという大物食いをやってのけた。

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過去のW杯を見ても、スウェーデンは出場した最近3大会、グループリーグで同居した優勝候補筆頭相手に驚異的な抵抗を見せている。
1994年アメリカW杯ではブラジルと、2002年日韓W杯ではアルゼンチンと、そして2006年ドイツW杯ではイングランドとそれぞれ同居したが、いずれも打ちあいの末にドローを演じた。

ドイツは最近11試合でスウェーデンには6勝5分(西ドイツ時代を含む)と負けなし。
近年の大舞台ではEURO1992準決勝と2006年W杯ベスト16でそれぞれ撃破しているが、「2戦目のジンクス」が発動するようなことがあれば波乱が巻き起こる可能性も十分にある。
そこに注目して観ると、この試合をより一層楽しめるのではないだろうか。

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エジル

エジルはこれまでスウェーデンを含む北欧勢と10度対戦しているが、計7得点を記録。
エジルの代表通算得点が22ゴール(18/3/27現在)というのを考えると、そのうち3分の1を北欧勢から挙げていることになる。まさに北欧キラーだ。
※参考までにエジルが北欧勢から得点を挙げた試合を記載しておきます。

※丸数字はエジルの得点数
2012/9/7vsフェロー諸島② 2012/10/16vsスウェーデン① 2013/9/10vsフェロー諸島①
2013/10/15vsスウェーデン① 2016/8/31vsフィンランド① 2017/9/4vsノルウェー①
セバスティアン・ラーション

スウェーデンが近年起こしたジャイアント・キリングは6試合。
今大会選出された選手の中で、この6試合にすべて出場している選手がセバスティアン・ラーションただひとりだ。
オランダ、イングランド、ポルトガル、イタリア、そしてフランスを2度葬っている。
番狂わせの影にこの男あり。

※参考までにスウェーデンが近年起こした番狂わせを記載しておきます。
(対象国:オランダ、イングランド、ポルトガル、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、ブラジル、アルゼンチン)

2011/10/11スウェーデン3○2オランダ 2012/6/19スウェーデン2○0フランス
2012/11/14スウェーデン4○2イングランド 2017/3/28スウェーデン3○2ポルトガル
2017/6/9スウェーデン2○1フランス 2017/11/10スウェーデン1○0イタリア

<サッカーコラムニスト 宝田雅樹>

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