banner_AD

コメント

阿部寛さん

いつもは冷静に事件解明に突き進む加賀が、女性の心を理解し、読み解いていけるかというのが、大きな見どころです。加賀の人間性がわかるヒントも、この作品には散りばめられています。
今回は、経験豊富な定年間近のベテランの太田刑事(柄本明)と一緒に、事件の謎を解決していくのですが、柄本さんの大きな力に助けられながら、完成していない段階の加賀を表現するのは、新鮮です。事件とは別に、父と息子の関係性も描かれ、加賀の内面性にも迫っています。 このヒロイン・未緒は、バレエを踊るという技術的な面も求められるし、カメラワークに合わせる立ち位置や芝居の部分など配慮しなくてはならないことが多く、ハードルが高い役柄。そんな難しい役どころなのに、石原さんが快く引き受けてくれたことに感謝しています。その時点で頼もしいパートナーができたと安心できましたし、一生懸命努力している姿には感服しました。 撮影現場でお会いした熊川さんは、フランクな方でした。日本のバレエ界を背負っている人だから存在感も迫力もあり、トップに相応しい方。バレエダンサーの方たちが向上心を強く持って、プロフェッショナルを極めるべく鍛錬する姿は、とても美しく、力強かったです。 この「眠りの森」は、バレエの演目が登場するし、映像としても華やかできれいな作品です。素晴らしく贅沢な作品に仕上がりました。僕自身は、加賀ファンを裏切らないように、筋を通して取り組みました。加賀恭一郎として、皆さんに新年にお会い出来ることを楽しみにしています。

石原さとみさん

撮影はかなり過酷なスケジュールだったので、体力的にも精神的にも大変で、毎日身体のあちこちが悲鳴をあげていました…。これほど手の指先から足のつま先まで神経を使う作品はなかなかないですし、バレエを踊るために稽古があったのですが、それも相当ハードでした。そんな中で、阿部さんと共演させて頂くことが撮影のモチベーションであり、元気の源でしたね。
小学生の時2年ほどバレエは習ったことがありますが、もちろん役柄として本格的にバレエを踊るのは今回が初めて。Kバレエ カンパニーの先生のバレエ指導は丁寧で的確で、レッスンは厳しいながらも楽しかったです。
阿部さんとの共演は3回目。ニュートラルに、自然体に、本番前でもぶれることなく接してくださるので安心して役柄に集中できました。 未緒のラストシーンがとても印象に残っています。台本を何度読んでも涙が出るほど、胸が締め付けられる感覚。なかなか出会えない感情なのでこの気持ちを大事にしたいと現場に臨みました。
華やかかつ切ない作品ですが、序盤から伏線が敷かれているストーリー展開なので、最初から最後まで見落とすことなく楽しんでください。

音月圭さん

今回は監督やスタッフの方をはじめ、素敵な共演者の方々と、この作品に参加させて頂き、とても幸せでした。
台本から想像する高柳亜希子は、プリマとしての責任や孤独、葛藤…色々なものを背負い戦っている、強いイメージでした。ですが、演じていくうえで彼女の弱い部分や同じ女性として共感できるところが増えてきて、どんどん彼女の気持ちが自分に入ってくるようになりました。
物語の前半は、ハラハラドキドキ。でも、終盤にかけて見ている方の心に響くような展開になっていくと思います。
バレエシーンにも挑戦していますので、どうぞ、お楽しみに。

プロデューサー伊與田英徳

この「眠りの森」は、加賀恭一郎シリーズの中でも好きな作品だったので、ぜひとも映像化したいと思っていました。刑事として冷静で鋭く厳しい面と、一人の人間として優しさや温情をかけるという相反する面が表現されていて、自分が解いてしまった悲しき真実に困惑する……という人間っぽさがあらわれています。深く加賀を知っていただくために、ファンには必須の内容です。
素晴らしい身体能力を持つバレエダンサーの出演や、熊川哲也さんが総合プロデュースした舞台・照明・装置なども使用協力を得ることで、今回のドラマが実現できました。バレエ界という特殊な世界の中での複雑で切ない人間模様が描かれている『眠りの森』をどうぞご期待ください。

石原さんには、可憐なバレエを披露している時の“陽”の部分と、バレエの練習に真摯に打ち込む時の“陰”の部分という両極端の面を持ち合わせている「未緒」という難しい役を演じていただきました。“陰と陽”の両方をしっかりと演じきることができる女優さんは、石原さんの他にはいないと思い、熱烈にオファーさせていただきました。
更に、石原さんは、バレエにも真剣に全身で取り組んでくれました。バレエを楽しみつつも厳しくレッスンを続けることで、格段に上達していき、堂々たるステージになりました。可憐さと、芯の強さ、内に秘めた熱い情熱など、彼女自身、未緒に通じるものがあります。クライマックスの雨の屋上のシーンは圧巻です。放送を楽しみにお待ちいただけたらと思います。

プリマ役の高柳亜希子は、プリマとしてのカリスマ性が必要な重要な役どころです。それを背負ってバレエ団の顔として、この役を演じて頂ける方は、宝塚でトップスターであった音月さんしかいないと思いました。音月さんは「凛とした強さ」を秘めていて、まさに、亜希子にぴったり。自分の幸せより、バレエのため、背負っているバレエ団のため、あえて孤独の道を選んだ亜希子の哀しさ、意志の強さを表現してくれました。
一見クールで冷静な音月さんですが、お話しをするととても温かみがあるという面も、亜希子に通じると思います。
現場での真面目さ、強い責任感、どこまでも真摯な姿勢は亜希子そのもので、期待した以上に、素晴らしいアクセントをこの作品に添えてくれました。華やかな『眠りの森』を、是非、楽しみにして下さい。