4月16日放送
二度の戦争を生きて ~ウクライナとサハリン、ある日本人の軌跡~

去年3月、成田空港に、78歳の男性が降り立った。降籏英捷(ふりはた・ひでかつ)さん。日本人だが、話す言葉はロシア語だ。

降籏さん一家は、第二次世界大戦時、樺太(いまのロシア・サハリン)で暮らしていた。しかし、ソビエト軍の侵攻と戦後の混乱で日本に帰国できず、残留を余儀なくされた。降籏さんは結婚を機にウクライナに移住したが、そのウクライナも去年、ロシア軍に侵攻された。家の近くも爆撃を受けたため、降籏さんは孫たちを連れて、妹がいる北海道旭川市へ避難したのだった。

過酷な運命ながら、微笑みとユーモアを絶やさない降籏さん。きょうだいたちと過ごす中で、人生を変える決断をする…。

サハリン残留日本人の歴史を、およそ半世紀にわたる取材映像で紐解きながら、ウクライナとサハリン、二度の戦争が奪ったものは何かを問いかける。

製作:HBC
ディレクター:大佐賀 南