3月19日放送
追われた住まい ~“故郷”を描く建築士~

神戸市長田区と福島県双葉町。ふたつの町を行き来する男性がいる。曺弘利(チョ・ソンリ)さん(69)だ。

在日コリアン3世の曺さんは苦学の末、28歳の時に1級建築士の資格を取得。神戸で建築事務所を立ち上げた2年後の1995年、阪神・淡路大震災が起きた。事務所は消失し多額の借金を抱えるが、曺さんは「災害に国境はない」と気づく。

国内外で起きる自然災害の被災地に行き、支援活動を続けると共に被災地の風景や人々の姿をスケッチで「記憶」として描き溜めるようになる。

2011年の東日本大震災では福島県双葉町に着目する。福島第一原発の事故により全住民が町外で避難生活を送ることになった双葉町。2022年6月、ようやく一部の地域で避難指示が解除されるのを機に、曺さんは町を100枚のスケッチで記録し続けることにした。

神戸の復興を見つめてきた曺さんが住まいを追われた双葉町の人々に伝えたいこととは―。

製作:MBS
ディレクター:伊佐治 整