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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 

「役人の絆創膏」ばかりで

塩川:これはもう古い家ガタガタになったところにですね、そこにあっちこっち文句が出てくるから、「ちょっと絆創膏を貼っとこうか」という感じだな。もっと真剣に根本的に考え直さないと駄目だ。もう持たなくなってる。と言うのは社会的に経済的に世の中の条件、全部変わってきてるんですよ。日本の社会保障制度を作ったのは昭和36年でしょ。その時の高齢化率だとか、国の経済力、あるいは、民間自身の1人あたりの所得の収入も全部違ってきてるんです。そうなのに振るい40年前の家の中でベタベタ修繕しとるわけだからね。これはもう合わないですよ。

御厨:それに気が付いていながら、どうして?

塩川:それは役人が抵抗するからですよ。誰でも責任を取りたくない。制度を変えるという事は役人にとって大変なことなんですよ。だから、これは政治家が決断して、政治家が押していかないと駄目なんです。

今回の内閣改造に関しては、1ヶ月ほど前から、一般論としながら番組を通してその「意味」を強調した。もはや、福田総理には4つの道しか残されていないとの事情だった。実は、自民党のとある人が、福田総理側から「忌憚なく話してほしい」と頼まれて、答えたという「福田総理の残されているカード」エピソードだった。すでに、「福田丸」が袋こじに入ってしまっていることをそのことは示していた。


「4つのケース」

小島:今後の「福田丸」の行方について、今、永田町の裏で取りざたされている4つのケースです。まずケース1「何もしないで、秋に退陣」ケース2「改造するも、秋に退陣」ケース3「改造して、解散総選挙」ケース4「結局。任期満了選挙」となっています。

与謝野:我々、実は政党支持率を非常に気にしている訳で。残念な事に今年の春一時期、自民党の支持率が民主党より下回ったわけです。こういう事は私の経験で初めてで、「こんな時期に選挙をやられたら大変だな」と思ってまして。

どうやったら自民党の支持率が上がってくるのかと、あるいは国民の信頼を取り戻せるのか。そこに政府も与党も腐心しなきゃいけないと。ただ、政局的にこういうシュミレーションをやるだけでは相済まない問題。やはりどっか国民が「駄目じゃないか」と思っておられる部分があるんで、それにやっぱり政府も党も気が付かなきゃいけないと思ってます。

「国民がもう駄目じゃないかと思っている」。このエピソードは、おまけがついているだけに事情は深刻だった。これに対し、福田側は「任期満了はないな」と話したという。それに対し、政局通のその人は「ならば『大幅』にしないといけません。捨て身の決意を示さないと、ケース2とばれてしまいます。レイムドダックです」。この「大幅」とは人数を指さない。政権の「要」、官房長官と幹事長を「一緒に心中できる」ほどの人に代えることを意味する。この際、福田側がどんな返事をしたのか私は知らない。しかし、内閣改造に踏み切ったものの、その結果の新しい大臣の顔ぶれと、その後に起きたことは、この忠告から見るとわかりやすい。

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