●「役人の絆創膏」ばかりで
今回の内閣改造に関しては、1ヶ月ほど前から、一般論としながら番組を通してその「意味」を強調した。もはや、福田総理には4つの道しか残されていないとの事情だった。実は、自民党のとある人が、福田総理側から「忌憚なく話してほしい」と頼まれて、答えたという「福田総理の残されているカード」エピソードだった。すでに、「福田丸」が袋こじに入ってしまっていることをそのことは示していた。
●「4つのケース」
「国民がもう駄目じゃないかと思っている」。このエピソードは、おまけがついているだけに事情は深刻だった。これに対し、福田側は「任期満了はないな」と話したという。それに対し、政局通のその人は「ならば『大幅』にしないといけません。捨て身の決意を示さないと、ケース2とばれてしまいます。レイムドダックです」。この「大幅」とは人数を指さない。政権の「要」、官房長官と幹事長を「一緒に心中できる」ほどの人に代えることを意味する。この際、福田側がどんな返事をしたのか私は知らない。しかし、内閣改造に踏み切ったものの、その結果の新しい大臣の顔ぶれと、その後に起きたことは、この忠告から見るとわかりやすい。

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御厨:それに気が付いていながら、どうして?
塩川:それは役人が抵抗するからですよ。誰でも責任を取りたくない。制度を変えるという事は役人にとって大変なことなんですよ。だから、これは政治家が決断して、政治家が押していかないと駄目なんです。