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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 

 「2人とも一変に消えちゃうな」 野中広務氏(2007年8月12日)

野中氏:まあ、元総理の孫がね、総裁と幹事長になったら、一体どうなるんかと思いますよ。しかもね、麻生君などは一段高いところにおるかのような、べらんめい調でもの言うんですね。ですから「アルツハイマー」って言う見たり。非情にね乱暴な物言いををして、人を見下げて上から見ている、そういう感覚にあるんですね。この2人がね、幹事長と総理をやっちゃたらですね、2人とも一遍に消えちゃうなと。私はそう思いますよ。

御厨氏:安倍さんは通常国会まで持ちますか。

野中氏:いやあ、わかりません。

政治はなんとも「非情」だ。なんと、その日、首相指名の本会議場に最初に入ってきたのは小泉氏だった。脇目も振らずに、自分の席に座り、机の上の投票用紙を見つけると、胸元から万年筆(きっと高いんだろうなあ)を取り出して、「福田康夫・小泉純一郎」と書いた。その「福」の字がなんだか丸っこくて、本当に福を呼びそうな感じもあって。この割り切りが、安倍さんにはなかったなあ、なんて考えた。番組の中では、渡部氏が「もはや二者択一しかないのだ」と、どちらも選ばない安倍氏を切り捨てた。


 「取る道は2つしかない」 渡部恒三氏(2007年8月19日)

渡部:国民の政治信頼を守るためには安倍君の取る道は2つしかない。今総辞職して、辞めるか。どうしても辞めないというなら国会解散するか。是非これは安倍君に聞いてもらいたいと思います。

森:うんまあ、この選挙は政権を争うというこではなかった。ただまあ安倍さんは選挙の演説の中で、小沢の民主を取るか、私の自民を取るかとおっしゃったことは、これは演説の中で出てきた話ですね。ですが仮に誰かに代わったとしても、あるいは自分に引き継ぐにしても、衆議院の選挙っていうものをですね、頭におかないで政局運営はできませんよ。ですね。ですけど、今の状況の中でそんなに早く解散すぐ急いでやると「飛んで火にいる夏の虫」ですよ、まさにね。ですから、ここはやはり安倍さんがどういう気持ちを入れ替えてもう一遍体制を整えるか、ということじゃないでしょうか。そのことによって党内外のやっぱり信頼っていいましょうか、力をですね、もう一遍奮い立たせると、いうその機会は、私は与えてやっていいんじゃにかって思いますよ。

でもそうはならなかったと言うわけだ。夏の間1ヵ月もかけて「身体検査」をしての、「乾坤一擲」の内閣改造後も、農水大臣らの「政治とカネをめぐる」スキャンダルは止まらず、ますます追いつめられていく。そんな中、渡辺氏は安倍総理の気迫に触れた。


 「気迫を…」 渡辺恒雄氏(2007年9月9日)

中曽根:私はこのテロ特措法については渡辺会長がおっしゃったように大連立に持っていくいいチャンスだろうと思うし、こういう国家的な課題については両方で話し合って協力し合うと、そういう癖をつけてくことが、民主党が将来政権とる元になる。そういう意味において安倍さんが小沢さんをよく口説いて党首会談をやって、それを成就するように希望しますね。

御厨:なるほど。渡辺さんいかがでしょう。

渡辺:参議院でね、第一党を失ったといったって、衆議院では三百何十票か与党が持ってる。民主党は百十何票かしかない。この現実に立ってですね、安倍さんもっと勇気を持ってやるべきですよ。最後は身を捨てて、もう内閣投げ出すことも覚悟してぶつかると。政局に。その気迫を見せてもらいたい。

御厨:気迫ですね。

そして、控え室で渡辺氏は「なんだか気迫が無いんだよなあ」とつぶやいた。アドバイスが届いたのか、「このようなこと」はやるのだが、どうもちぐはぐなのだ。オーストラリア・シドニーでのAPECでは、ブッシュ大統領との会談でテロ特措法について「是非とも継続が必要。最大限努力する」と約束し、そして記者団に「給与活動は対外公約だ」と見栄を切ったと思ったら、今度は記者会見で「私は職にしがみつこことはない」などと漏らすなど・・・。そして、所信表明演説で「深い反省の上に立って今後の国政にあたっていきたい」と声をはりあげた後、その夕方には麻生幹事長に辞意を伝えたという、混乱ぶりだった。辞意表明を受けて、寺島氏は、興奮気味に、この1年の「安倍政治」を振り返った。

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