◆「2人とも一変に消えちゃうな」 野中広務氏(2007年8月12日)
政治はなんとも「非情」だ。なんと、その日、首相指名の本会議場に最初に入ってきたのは小泉氏だった。脇目も振らずに、自分の席に座り、机の上の投票用紙を見つけると、胸元から万年筆(きっと高いんだろうなあ)を取り出して、「福田康夫・小泉純一郎」と書いた。その「福」の字がなんだか丸っこくて、本当に福を呼びそうな感じもあって。この割り切りが、安倍さんにはなかったなあ、なんて考えた。番組の中では、渡部氏が「もはや二者択一しかないのだ」と、どちらも選ばない安倍氏を切り捨てた。
◆「取る道は2つしかない」 渡部恒三氏(2007年8月19日)
でもそうはならなかったと言うわけだ。夏の間1ヵ月もかけて「身体検査」をしての、「乾坤一擲」の内閣改造後も、農水大臣らの「政治とカネをめぐる」スキャンダルは止まらず、ますます追いつめられていく。そんな中、渡辺氏は安倍総理の気迫に触れた。
◆「気迫を…」 渡辺恒雄氏(2007年9月9日)
そして、控え室で渡辺氏は「なんだか気迫が無いんだよなあ」とつぶやいた。アドバイスが届いたのか、「このようなこと」はやるのだが、どうもちぐはぐなのだ。オーストラリア・シドニーでのAPECでは、ブッシュ大統領との会談でテロ特措法について「是非とも継続が必要。最大限努力する」と約束し、そして記者団に「給与活動は対外公約だ」と見栄を切ったと思ったら、今度は記者会見で「私は職にしがみつこことはない」などと漏らすなど・・・。そして、所信表明演説で「深い反省の上に立って今後の国政にあたっていきたい」と声をはりあげた後、その夕方には麻生幹事長に辞意を伝えたという、混乱ぶりだった。辞意表明を受けて、寺島氏は、興奮気味に、この1年の「安倍政治」を振り返った。

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御厨氏:安倍さんは通常国会まで持ちますか。
野中氏:いやあ、わかりません。