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 「地方の無党派化」 片山善博氏(2007年7月29日)

市町村合併の影響が今回の参議院の選挙にはモロに出てると私は思いますね。といいますのはね、これ自民党のことですけどね、国会議員の皆さんに対してやっぱりいろんな不満が今までもあるわけですよ。与党に対しても。例えば先程のことで言うと交付税を減らされたとかですね、格差が拡大したとかあるんですけどね。その国会議員とそれから自治体とか、国会議員と住民の皆さんとの間に一種の緩衝材として保守系の議員さんとか首長さんがいるわけですよね。

ところが町村合併でそれがザッといなくなって、ほとんどいなくなっているのは市会議員がその地域は1人だけとかですね。こうなるともう緩衝材いなくなったんですね。そうしますとね、今まで義理とか敬意とかいろんなことで、その保守票に入れてた人たちがいわばサッとこう無党派になってるわけですよね。寄辺がなくなって。

ですから都市と同じような浮動票が地方にも随分現出してるんですね。これが今回の一人区の、結果を左右する一つの要素になるかもしれませんね。


「最初があれば終わりがあるわね」

そして、そうなったというわけだ。結局、私とその議員は事務所で会うことになった。夏の選挙で、顔の上半分が焦げたように茶色く焼けた議員は、「きれいに負けちゃったよ」と、少し照れたように話した。そして、「しょうがないわ」と、今度は自分に言い聞かせるようにつぶやくと、しばらく黙った。「たまには東京に来るから……」と議員が言ったとき、私は「ああ、これからはこれまでとは違うんだ」と初めて悟った。

これは「民主主義のルールなのだ」と一生懸命念じた。私はその「理」を説くのが仕事なのだと……。しかし、10年以上にわたった、議員とのやりとりが、ぐるぐると思い浮かんでしまうのだ。県議会あがりの議員と、地方取材を繰り返してきた私は不思議とウマが合って、いろんなことがあったのだ。たまらなくなって、「では、もう失礼します」と言って立ち上がると、議員も立ち上がり両手を差し出した。ああ、この人はこのようにして島根の選挙区を暑い夏に日焼けしてかけずり回り「1票」をお願いしてきたのだなと思った。そして、負けたのだ。「最初があれば終わりがあるわね。はっはっはっ」と笑うので、私も「はっはっはっ」と笑った。そして、私の手をきつくぎゅっと握って「あなたは頑張りなさい」と言って、終わった。

※本原稿は新・調査情報9〜10月号に掲載されています。

石塚 博久 (いしづか ひろひさ)
'62 東京都足立区生まれ。早稲田大学卒業後、'86日本経済新聞社に入社。大阪、名古屋、仙台支局(このとき、「みちのく温泉なんとか殺人事件」に出るような温泉はほとんど行った“温泉研究家”でもある)に。
東京本社政治部で政治取材の厳しい(「虎の穴」のような)指導を受け、新聞協会賞(「閣僚企画」共著)も。
'96TBS入社後は、報道局政治部記者、「NEWS23」のディレクターを経て、「時事放談」制作プロデューサー。

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