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3つの視点からとらえるインカ帝国

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悲劇のラストエンペラー、アタワルパ。たった160名余のスペイン軍によってインカ帝国は滅ぼされ、アタワルパは処刑された。
歴史学の視点からスペイン人が書き遺した諸記録(クロニカ)や絵画資料を読み解くことにより、インカ帝国の最後とスペイン人によって植民地化されたインカ帝国の姿が浮かび上がってくる。
第13代インカ王として最後に託したインカの未来と現実の姿とは…

網野徹哉准教授からのコメント

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《フェリペ・トゥパク・アマル〔トゥパク・アマル1世〕の肖像画》
19世紀
ペルー文化省・ペルー国立考古学人類学歴史学博物館

これまで一般的に、インカ帝国がスペイン人によって滅ぼされたあと、インカは消滅したと考えられてきました。
けれども近年、歴史研究者たちは、征服後も古都クスコに多くのインカ族の末裔が集住し、結束して事に当たっていたことを明らかにするとともに、植民地時代を通じてアンデスのさまざまな領域で、インカがその姿形を変えながらも息づいていたことを示す多くの痕跡を見いだしつつあります。
本展覧会では、植民地時代を生きた「インカ」をめぐる絵画などの諸作品を展示し、その歴史的意味について、最新の知見にもとづいて紹介することにより、従来とは異なった新しいインカ像を提示したいと思っています。

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網野徹哉(東京大学大学院 総合文化研究科 教授)

1960年東京生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。
東京大学教養学部助手、フェリス女学院大学専任講師を経て、1994年に東京大学大学院准教授となり、2012年4月より現職。
古文書分析を通じ、植民地時代のアンデス社会の歴史を多角的に研究。