放送内容
ブラジルの大西洋岸の沖合に浮かぶグランデ島と、大陸側の港町パラチーなどが、ひとつの世界遺産として登録されている。大西洋岸森林地帯と呼ばれるこのエリアでは、乾季のない湿った森に多くの生態系を見る事ができる。さらに、大陸側に目を向けると、かつて使用された黄金の道や、金の積出港として栄えた港町も存在する。豊かなと複数の文化が交じり合った世界遺産だ。
大西洋が育んだ森
ブラジルの大西洋岸森林地帯を海側から見ると、驚くほど海と山脈が近い事が分かる。そのため、海に近い森には乾季が無く、湿った森が広がっている。そんな海に育まれたともいえる森には固有種を含む多くのユニークな動物たちが暮らしていた。
毎日水没する街
金の積出港として栄えた港町パラチー。ポルトガル植民地時代の建物が多く残る街は、なんと1日に2回も水没する。それは、海面上昇による影響ではなく、街がポルトガルによって作られた時代に、あえて水没するよう計算されつくされた都市計画にあった。
黄金の道
17世紀末に黄金が見つかり、ブラジルはゴールドラッシュを迎えた。当時、全世界における金の産出量のおよそ8割をブラジルが担っていたとされる。その産出地である内陸部から、海外へ運ぶための港町パラチーまでを繋ぐ道が「黄金の道」と呼ばれた。
三大陸の文化の交差点
ブラジルのゴールドラッシュを支えたのは、アフリカから来た黒人奴隷だった。彼らは、強制労働から逃れ、森にキロンボという逃亡黒人奴隷の村を作った。さらに海沿いには、先住民から続く文化とヨーロッパから持ち込まれた文化が溶け合ってできた独自の伝統を守るカイサーラと呼ばれる民族がいた。