放送内容
アンデス山脈の東側、グランデ川の侵食により形成された南北155kmに及ぶウマワカ渓谷。さまざまな鉱物が生み出すカラフルな地層で彩られた渓谷は、南米のグランドキャニオンとも呼ばれる。渓谷は1万年以上昔から人々が行き交いモノを運ぶ道となった。先史時代の狩猟採集民が使った洞窟や、インカ時代の集落などの遺跡が点在する。渓谷沿いの大農地で生産した農作物や塩湖の塩などをアンデス各地に運ぶ主要な交易路だった。
南米のグランドキャニオン
アンデス山麓、グランデ川の侵食によって形成されたウマワカ渓谷はその壮大な景観から南米のグランドキャニオンと呼ばれる。渓谷は赤、黄色、緑…とむき出しになったさまざまな鉱物に彩られた「七色の丘」や「14色の山」など美しい景観が広がる。
塩とスーパーフード
渓谷は1万年に渡りアンデスを結ぶ主要な交易路だった。主な交易品は塩湖で採取した塩や農作物。約800年も前から、品種改良のための実験農場を持つ巨大な農地で、アンデス原産のじゃがいもや現代ではスーパーフードといわれるキヌアなどを育てていた。
アンデスの文化を守った悪魔
16世紀にスペイン人に侵略され植民地となったウマワカ渓谷。スペイン人は街並みを変えただけでなく、人々をキリスト教へと改宗させた。しかし先住民は土着の神を守り続け、「悪魔」の姿としてスペイン文化のカーニバルに忍ばせて年に一度蘇らせる。