放送内容
1000m級の山々に囲まれたイギリス、ウェールズ北西部。あちこちの山肌に岩が剥き出しになった階段のようなものが見られる。これは天然の石材、スレートを切り出した跡。ウェールズ産のスレートは高級とされ広く世界に輸出された。18世紀に始まった産業革命により、スレートを運搬する蒸気機関車をはじめ新しい技術が次々と導入された。スレート産業は、19世紀後半最盛期を迎えウェールズに莫大な富をもたらした。
奇妙な石の階段
ウェールズ北西部の山には石材スレートを切り出した際に作られた石の階段が点在する。スレートは薄く剥離でき加工がしやすいため、古くからヨーロッパでは屋根材として広く使われてきた。特にウェールズ産は高級とされ、山の形を変えるほど大量に切り出された。
スレートを運んだ蒸気機関車
イギリスで始まった産業革命がウェールズのスレート生産も一変させた。スレートの切り出しや輸送に新しい技術が次々と導入された。山あいの採石場から港までスレートを運ぶために導入されたのが蒸気機関車だった。今は観光用として山あいを走り、大人気だ。
スレートが生んだ街と城
未曾有の好景気に沸いたウェールズのスレート産業。次々と鉱山が作られた。スレート鉱山の麓には労働者が住む街がつくられた。当時世界一の生産量を誇ったペンリン採石場のオーナーの邸宅はまるで城のように豪華絢爛で「ペンリンキャッスル」と呼ばれる。