放送内容
ドイツに端を発し全長2800kmを流れる大河ドナウが、河口近くで無数の支流に枝分かれし形作った、巨大な三角州がドナウデルタだ。そこは砂地の森、葦原、大小の湖や沼など、さまざまな表情を持つヨーロッパ最大級の湿原。ドナウが運ぶ土砂でその面積は広がり続けている。ドナウデルタの豊かな恵みは鳥たちを育み、100万羽の渡り鳥が繁殖に訪れる野鳥の楽園。大量のモモイロペリカンがアフリカからやって来る。
空から見る大デルタ
ドイツの源流から10カ国を流れるドナウ川の河口に広がるドナウデルタは、東京都の2倍もの大きさを誇る三角州。北部には砂地の森があり、続いて広大な葦原、南部には巨大な塩の湖…と堆積する土砂の量の違いによる湿原のさまざまな顔を空から見る。
ドナウが変えた海岸線
2800kmを流れる大河ドナウは、大量の土砂を運びドナウデルタの陸地を広げてきた。河口の沖合には土砂が堆積してできた島が誕生。その周辺は大型のタンカーが座礁するほどの浅瀬だ。ドナウは毎年750万トンもの土砂を運び、海岸線はどんどん変わっている。
二色の川の秘密
ドナウデルタに、濁った水と澄んだ水で二色になっている不思議な川の流れがある。澄んだ流れの底には土砂が溜まっている。土砂を沈めていたのは岸に密生する葦の働きだった。葦は茎が空洞で水に浮くため、風が吹くと浮島となり独特の景観を形づくっている。
渡り鳥100万羽
ドナウデルタの自然の恵みは、鳥たちを育んでいる。100万羽の渡り鳥が繁殖のためにやって来る。中でもアフリカからやって来るモモイロペリカンは浮島に巣を作り繁殖をする。ここはヨーロッパ最大の繁殖地となっている。