放送内容
南米ボリビア。15世紀、アンデス山脈の高地には、あの天空都市マチュピチュを象徴とし、アメリカ大陸最大にまで繁栄した謎のインカ帝国が存在した。そのインカを遡ること1200年、聖なる湖、チチカカ湖を中心に栄華を極めたミステリアスな文化、ティワナクがあった。緻密な計算で巨石を組み合わせた驚異の建造技術、そして卓越した天体観測システム。ベールに覆われてきたインカのルーツが、ティワナクの遺跡から見えてきたのである。
5万人が暮らした古代都市
標高3800メートルのティワナク遺跡の中心部には最盛期5万人が暮らしていたと言われる。4平方キロの都市には、ピラミッド型のアカパナ神殿、謎の人面像に覆われた半地下式神殿など祭祀儀礼が行われたと考えられる石造建築物が残されている。
巨石建造技術の謎
高度な建造技術で組み上げられたカラササヤ神殿の石材は、ティワナク遺跡から遠くチチカカ湖を隔てた岩山から運ばれたもの。一方、プマプンク神殿に残された重さ180トンもの謎の巨石は、最新の調査で人工ブロックである可能性も示唆されている。
ティワナクを受け継いだ巨大帝国インカ
聖なるチチカカ湖を崇めたティワナク。湖に浮かぶ太陽の島を、のちにインカはその発祥の地と考え、巡礼を繰り返してきた。チチカカ湖を同じ一つの聖地とした証として、ティワナク時代からインカ時代に至るまでの捧げものが近年、湖底に見つかった。
驚くべき天体観測システム
ティワナクの象徴、太陽の門には一年を12か月とするカレンダーのような図案が描かれている。カラササヤ神殿の石の柱は太陽の位置を示し、春分・秋分の2回、神殿東門の真ん中に太陽が落ちるよう計算されている。神殿自体、巨大な観測システムなのである。