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20211024日放送

グラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観 〜 500年前に消えた 大西洋に謎の文化

放送内容

大西洋に浮かぶカナリア諸島のグラン・カナリア島。火山の噴火によってできた島には、1世紀頃から15世紀まで先住民が暮らし、独自の文化を育んでいた。先住民は、溶岩でできた岩山を崇め、斜面に段々畑をつくり、断崖絶壁に洞窟を掘って、その中で暮らしていた。そんな彼らの文化は、15世紀にスペインが島に入植してくると途絶えてしまった。500年前に消えた、大西洋の先住民文化の謎に迫る。

断崖絶壁の洞窟住居

グラン・カナリア島の先住民は、断崖に洞窟をいくつも掘り、その中で暮らし集落を築いていた。島には小さな集落がいくつも点在し、各集落同士が食料や家畜を巡って争いを繰り返していた。そのため、敵対する集落の襲撃から逃れるため要塞集落を築いたのである。

写真:放送内容

滝雲とミイラ

大麦や豆類を栽培していた先住民。雨がほとんど降らない島で農業ができたのは、滝のように流れ落ちる雲が発生するからであった。雲が運ぶ水分で作物の栽培が可能だったのだ。また、乾燥した土地で、先住民は死者をミイラにして、洞窟に安置していた。

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洞窟神殿に古代カレンダー

天文学の知識を持っていた先住民。彼らは、洞窟神殿に差し込む太陽光の位置で春分・秋分の時期を知るカレンダーをつくった。農耕民族だった先住民は、その古代カレンダーで種まきや収穫の時期を把握し、洞窟神殿で豊穣を願ったと考えられている。

写真:放送内容

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